Wonder Festival 2011 [Winter] in MAKUHARI MESSE
ブース前日風景  WF幕張メッセ開催4回目の参戦。宅急便による事前搬入、塗装済みディスプレイモデルはもちろんポップ関係まで前日に準備万端という奇跡のような覚悟完了ぶり。
 前日搬入の時点で余裕がもれなくついてくるたぁ何かのトラップかと思わせる。スムーズに縁がない人間故の疑心暗鬼ぶりが哀しいWF2011[冬]の覚え書き。前日搬入開始時間前に幕張メッセ来てるなんてもうないだろうな。

ブース全景
ブース全景(当日9時38分) 基本レイアウトは通常通り。ポスターは同じサイズでキャラクター描いたらすげえ目立つだろうな。フィギュアさえ出展できれば……

卓上全景
卓上全景 色が塗ってあるだけでこうも目立つかという超大型ミサイル。新作の浮遊大陸がちっちゃく見える。箱に詰めたものを全部さらす姿勢は卓上をしまりのないレイアウトにする。自分の部屋と同じだ。
会場風景
会場風景 やたら自ブース前を横切った「あみあみ」バッグ。悲しいかなWFオフィシャルバッグより遭遇率高かった。まぁオフィシャルバッグは売り物だが……ブース固定砲台型の定点観測員にとって、レイヤーさんと企業ノベルティグッズは水族館の熱帯魚のように鮮やかな移動物体。
設営〜開場
 8時前に入場。ブース番号2ー04—04。ポスター貼って出展品並べるだけで済んでしまう。下ごしらえがいかに重要な事かを思い知らされる。他のディーラーさんにとって当たり前な事がようやっと実感。これを続けられるかといえばまったく自信がない。
 同じ島に「ワークショップキャスト」が出展しており生嶋毅彦氏の姿も。ダンディな容姿と作品が表裏一体。太り気味の浮遊大陸、どこまでも丸い超大型ミサイル、恥ずかしい塗りの総統グラス……中年デブオタディーラーの存在が透けて見える。

 「八広ディーシィー」主宰のあげだし氏が訪れ、信じられないキットを見せられる。当の本人が“こりゃあバランス崩れるから駄目だな”と投げ出した仕様が、あげだしマジックによって座りのいい形状に立体化されているではないか。
 さすが原作者の原作者。“宇宙船といえば、八広ディーシィー”の看板に偽りなし。メカであれフィギュアであれ、オリジナルモデルはコンテンツホルダーへの道。シリーズ化に事欠かない原作ストックはあるので「八広ディーシィー」オリジナルブランドの展開を期待するものである。

 そして10時開場。スタート前のタメが足りないのかスルっと始まる。開場へと盛り上げる煽りがないためである。直前まで注意アナウンスが流れルール遵守が求められる幕張モード。はっちゃけた空気は熱量上がらないと産まれないか。関さまのオープニングアナウンスが懐かしく思う。

 以下は時系列不明瞭なラブタコスブースでのあれやこれやメモ。

浮遊大陸覚え書き
浮遊大陸
浮遊大陸(新作) 大陸と突起部分のバランスが当初よりもっさりしたものになった本作。一番ミスったのは突起部分。つや消しクリアーをブラシ吹きしたのにテラテラしている。「MG」3月号読んだら使用法を間違えてるのに気づく。トップコート吹けばよかった。
 本カットと下の超大型ミサイルはCZマスター氏の撮影データを使用。ありがとうございます。
 開始冒頭、開場前に立ち寄られたディーラーの方が“先輩の分も”と2個も買っていかれる。後悔しても2000円分なら許容範囲か?ジオラマやってる方なら密林や地表表現のテクニックを発揮できるキャンバスにはなるやしれん。
 質問で多かったのは“前線基地はどのあたりにあるの?”それは自分にも判らない。設定資料にも指定がなかったので。

 日清小麦粉フラワー仕様のパッケは好評。見立てパッケは認知度がすべて。対象に選んだ際、“女性にはおなじみだろうが男性にはどうだろう”な不安は杞憂だった。さすが小麦粉界のメジャーアイテム。ウケが全てといってもいい当ディーラーにとって、今回もっともコストパフォーマンスの高いアイテムだった。ひょっとしたら中身よりも……ペーパークラフト?ペーパークラフトなのか。君は!


超大型ミサイル覚え書き
超大型ミサイル
超大型ミサイル(再販) 晴れて塗装済みディスプレイモデルを展示できたのは重畳(当たり前だ)。一番のお気に入りは底部。まるでカボチャのような断面色が美味しそう。底部は映像に準拠していると思うが本体部分の色味は暗い青の暫定色(テレビの発色と印刷物の色味がまるで揃っていないので混乱してしまった)。
 などとテキスト打ってたら、グライドメディア「宇宙戦艦ヤマト大クロニクル」にセル画撮影の図版が掲載されていた。色の位置は同じだが色味全然違う。本体色は青寄りのグレー。しかも底面より本体部分の方が明るい。
 結論=このディスプレイモデル塗装はラブタコスオリジナル着色であります。
 開場前、ディーラー参加されてるレイヤーのおかぽん氏が立ち寄られ、縞模様もない半端仕様のミサイルパッケがスイカの見立てである事を一発で見抜き、我が意を得たりと感謝する。こちらの意図がキャッチボール出来る所こそ直に対面できるディーラー参加の醍醐味。卓に突っ立ってる中年デブオタは自動販売機じゃないのである。
 開場後“超大型ミサイルは一目で爆弾と判るのがいい(大意)”という方がいてこれも波長がピッタリ。メカニックデザインのリアリティはここさえ押さえられたらハズレなし。推力が何トンとか炸薬量がどーたらという設定要らずの豪快ぶりが心地よい。

 前回間に合わなかったパッケージと、ちゃんとした組立マニュアルを準備できて汚名返上。お持ち帰りが楽になったくらいの効果は発揮できた。パーツの荒さはそのままなので組立前の処理が大変な本キット。原型師を凌駕するモデラーの組みスキルを発揮していただき、原作の魅力を大増量していただければ嬉しい限りである。


総統グラス覚え書き
総統グラス
総統グラス(再々販) 本体についてはさんざ語ってきたので特にコメントはなし。それでも発見はある。ぐらすの収納と展示はひっくり返した方が座りがいいという大発見。なんで気づかなかったのか?緩衝材も詰めやすかったのに。
 購入された方で一人だけしおりを入れ忘れてしまったのが後悔。通りがかったカップルの一人が“グラスは前に買ったやつだよね?”とつぶやいておられた。いや、そのグラスは違うと思うぞ。手渡したのは自分かもしれないが……

 まだ初見の方がいるというのがワンフェスの規模であり弱小アマチュアディーラーのポジションを物語る。それ故「藤本窯」時代から続くご長寿さんモデル(素材も原型師も別物にせよ)な訳で、つくづくスタートラインがこれだったのは運が良かった。

 後日ネットで紹介されたコメントで、一番主張したい“松本零士曲線”を拾ってくれたのは嬉しい限り。たとえ原作者がゴシップ記事の対象にされようとも、その手から産みだしたデザインの価値は変わらない。振りかえる事がないのは判らない奴が増えただけだ。(どんだけ好きなんだ、この『湾岸』フレーズ)


ワンフェス時間覚え書き
開場風景
当ブース右方向の模様(11:57ごろ) 360度同じ光景が続く。この厚い層があるから自分と波長の合う人もいるのである。出会うかどうかは運次第。ご縁があればひとつよしなに。トイレ移動以外はズーっとブースにいるのですれ違う事は少ないかと……
◎ヤマト系ブースを回ってる方が訪れ、スタジオぬえ作「ヤマト大図鑑」のコピーを見せていただく。『ヤマト』掲載の「冒険王」も買ってなかった貧乏人には初めて見る代物。さすがワンフェス知識の森。流通しているのは立体物だけではない。
 さらにワンフェス第1回の体験者だったりして後発のアマチュアディーラーにとっては歴史の語り部。一発抜きの「地表込ムーンベース」なんていう作品があったという。豪快っぷりが素晴らしい。雑誌メディアがすくい取れないエピソードがいかに多い事か。卓を拡げる事で生聴きできる徳目にあずかれるのはディーラー冥利に尽きる。

◎当ブースのディスプレイを見て“道の駅みたいですねぇ”というこれ以上はない的確なコメントが寄せられる。なるほど、生産者表示のある作物が置いてある棚っぽい。いや、それでもオシャレすぎるか。地元の何でも置いてる商店みたいな雑然さが近い。ラブタコスにコンビニみたいな縦横スッキリレイアウトは無縁だ。

◎絶対20代だろーという容姿な40代モデラーの方が同郷だと言う。現在関東在住だそうで、帰郷の度に感じるという地元の寂れっぷりに地元在住者も“そうそう”という自虐相槌ぶり。こういったキラキラしたイベントから帰ると同じ思いになる。卓を広げている時はお城の舞踏会でも閉会のアナウンスが告げられると魔法が解けてしまうのだ。さしずめ卓に並べた出展品は、その日幕張メッセに中年デブオタがいた事を伝えるガラスの靴である。

◎超絶モデル製作中の方が訪れ、またも塗装について知恵を授かる。ありがとうございます。コスモクリーナーに空気清浄機を仕込んだディーラーがあるという。この発想は自分からは出てこない。ディーラーの数だけアプローチがある豊かさ。模型雑誌の新製品情報とは別の潮流がある事に模型メディアが割くページ成分は少な目。立ち位置としてアマチュアディーラーの出展品は同人誌扱いなのかのぅ。


差し入れ1
いただきもの 昨年開催された「富野由悠季ワークショップin鳥取」の模様をまとめたフリーペーパーを「クマクマアリス」主宰のクマキングさんよりいただく。九州の端っこ在住の人間にゃ入手困難なのは言うまでもない。それが千葉県千葉市美浜区中瀬2−1でお目にかかれるこのワンダーぶりはどうだ。トークの様子をUSTREAM配信で観ていたのでまたとない副読本になった。
 これもディーラー冥利につきる。ここじゃあワンダーは卓の外でも起きる。記して感謝の意を。ありがとうございます。
差し入れ2
差し入れもの もらった時、一瞬なにが起こったのか判らなかった。今食わなければバチが当たると一気食い。こ、この肉の少なさとパサパサ感はコミケ行った時食ったやつと同じ業者かー!グビグビグビ……
 スタッフというか手伝ってくれる人からもらう事はあっても、立ち寄った人から差し入れてもらうのは予期せぬ出来事。千葉県千葉市美浜区中瀬2−1はワンダーの結節点か?
 著名人が絶対プロのモデルさんだろうというキュートな容姿の女性と一緒に歩いていたりして、そんな世界があるんだとジッと手をみるぐらい、ためいきな光景あり、次のネタ思い浮かばないんですよという当方に“大きい遊星爆弾はどうですか”と、出来れば他のディーラーさんが作ってくれると嬉しいぜという提案あり、企業ブースには花澤香菜や鷲崎健が来てたという後知識ありで17時閉場のアナウンスが流れる。
 アイテムは正午過ぎに完売し、後はずっと立ち寄った人との会話で楽しむ。ここでしか体験できない小躍りの時間。自分が明るい人のようにふるまっても大丈夫、逆人格が制限時間内の春を謳歌する。
 こんなテンションを保てる時間は会場のどこにも売ってない。買える訳もなく探したって見つかるわけがない。作るからそこ得られるご褒美である。

 ちょうど開催後一月経ってテキスト打ってると祭りの余韻も時間に押されてしまうのが刻の涙。それでも半年分の7時間という密度はダイヤモンドより柔らかくとも日常の凡庸さをグサグサ刺せる強度を持つ。端午の節句の柱の傷のように起伏のない個人史に記憶を刻んでくれるのだ。

 中年デブオタアマチュアディーラーはガレキじゃなく時間を買ってるのだな。前払い予約制で。もれなく椅子と机とエピソードとリボルテックとクリエーターズカーニバルのフライヤーがついてくる。自分専用のステージが目の前に。祭行くなら踊らにゃアニソンである。
(2011.3.5記)


【付記】WF2011W 製作コスト一覧(ポップ製作費は除く)
●旭化成 ワッカーシリコーンRTV2 M8012(1kg)×5
●旭化成 ワッカーシリコーンRTV2 M8017(1kg)×3
●ウェーブ レジンキャスト(白)3
●ファインモールド ご機嫌クリーナー×2
●ユウビ造型離型剤 UB108×1
●フィニッシャーズ マルチプライマー×1
●石 膏
●Mrカラーシンナー
●Mrカラースプレー(銀)×2
●Mrカラースプレー(ネイビーブルー)×2
●田宮カラースプレー(ダークブルー)×2
●ガイアカラー(クリアーブラウン)×5
●Mrカラー×3
 コスト合計
11,875
7,125
9,477
1,786
1,730
880
472
630
1,050
1,050
1,250
850
504
38,679
 超大型ミサイルと総統グラスは前回のゴム型を使ったので、新規ゴム型作成は浮遊大陸とミサイルのディスプレイスタンドのみ。複製は大陸9セット、ミサイル4セット、グラス5脚。前回からの繰り越しで多少のストックもあり、もの凄い低コスト。
 にもかかわらず、上京までの航空運賃の方が高いという現実。上京=リザーバータンク・レギュレーター付コンプレッサー1台分なんだから地方在住ディーラーはただ涙、涙……