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空白スペースの謎
引用部分

左:単行本/右:月刊モデルグラフィックス2007年5月号

  「ワンフェスのワンダちゃん」は、2014年に亡くなった水玉螢之丞(みずたまけいのじょう)先生が残したワンフェス関係の画像やコラムをまとめた単行本。数誌に渡って掲載された原稿がまとめて読めるありがたい一冊。
  ところが2007年冬のWFレポート(単行本139ページ・初出:月刊モデルグラフィックス2007年5月号)。掲載時はイラストの下段に水玉氏が考える“WF的”なるものへというコラムがあり、WFとガレージキットの関係を述べるくだりがとても腑に落ちて印象深かった。でも載ってない。何故だろう?何故かしら?
 理由は知らねど水玉先生のWF観が記された文章が作品集に載っていないのは腑に落ちないため下記に残す次第。以下は月刊モデルグラフィックスより引用。

わんへす`07冬、あとのまつりレポ

 WFに取材で行くようになってずいぶん経つけど、長いスパンで見渡すと、ゆるやかな波があっておもしろいです。「お人形服」の波がどっと押し寄せて、Cブロック歩いてるとメイド服で溺れそうになったりした時期もあるし、「オリジナル造形」の波が来たときは、結果いくつものちいさな中洲が形成されて、いまでも成長を続けてる。そんなかんじ。
 で。新規参入ディーラーさんの「オリジナル立体物」って、ひとめ見ただけでなんとなーく「WF的にOK」なかんじのブツと、そうでないかんじ……ていうよりは、はっきりと否定的な気持ちを覚えるブツに分かれるのが、自分でもいつも不思議で。オレはいま、どういうモノサシでコレを測ってそう思ったんだろう、てのがずっと謎だったですよ。
 今回、そのことをぐるぐる考えながら見てまわっているうちに、キーワードは「量産」かも、と思った。うわ困ったな、ていう印象を受けちゃう卓って、ほぼ例外なく「一点もの」の「作品」を並べてるとこなのね。よくみるとひとつひとつ違ってても「量産」されて並べられてるモノなら、オレ的にはOKなんす。「作品性」はブツのデザインていうか形状自体に在って、ひとつひとつはあくまでも「商品」であることが、どうもオレにとっては大事なことらしい。てのはFROG FLAGさんのおかげで気付かせていただきました。
 まあ、心せまいオレ、って話ではあるんだけどさ。つまりいろんな形状の一点ものの「作品」を漫然と並べて展示してる=いきなり「作風」で勝負しに来てる。てのがオレにとっては「WF的」じゃなくてヤなんですヨ。ヘタに量産しないほうが、材料費とかのリスクは抑えられるけど、WFってそういうもんじゃないだろう、ていう。見るだけの立場のヤツぁ、ワガママでいけませんな。
 ついでに。オフィシャルサイトに参加ディーラー一覧を載せて、ホームページやブログ持ってるとこはクリックでジャンプできたら、予習しやすくなってベンリだと思うです。事務局さま。ぜひご検討ください。

 存命なら現在のワンフェスを観てどう思われるだろう? ともあれ目利きであり関係者でもある作者のワンフェス尽くしの一冊。機会があればご一読のほどを。(2017.2.26記)

玉螢之丞作品集 ワンフェスのワンダちゃん
株式会社本の雑誌社・2016年8月5日発行