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タイトル マイクロフィギュア 製作ノート

器量の大きさと真の『コスモグラフィックス』

 古代進だけでなく本サイトのマスコットキャラまで作ってしまうのが大人の余裕(その小ささと立体感は下の方でご確認を)。写真右は「コスモグラフィックス」刊行後にいただいた製作者エス氏からの“いや、実はこうだったんですよ”という本当の作例解説と、ワンフェスや模型業界のあれやこれやが綴られたコンテンツ満載のノート。くすぐりもいっぱい!
 フォーマットはお便りでも、ツボにはまった同人誌の読後感がやってくる。エス氏はテキストでも魅せるプライベーターだったのだ。チューニングマシンの解説は製作者こそふさわしいと唸らされた一冊である。 瞬着 流用パーツ

そこに液はなかった

 フルチューンド・ゼロに投入された瞬着の残骸。自分なら使い切るのに10年はかかる。(ガレキ原型と出展用のディスプレイモデルくらいにしか使わないので)コスト度外視の製作だった事が伺える。
 写真右は松本零士分を他から持ってきたと紹介されていた銀河鉄道999の食玩車輌パーツ。“大アタリのSPLパーツで松本度数が飛躍的に……”という湾岸のF1タービンネタで紹介してあり笑わせてもらった。(版権的にヤバイので該当箇所の画像はご容赦を。って俺が言うか)パーツひとつとっても製作者にしか判らないエピソードがある。フルチューンド化における追加情報は以下の通り。
・キャノピー後方の機体部分にスジ彫り追加
・垂直尾翼幅上部で3ミリ削り込み、エンジンナセル部分との接合部分延長
・操縦桿は2本失敗、3本目に完成(原型のリファインと言われるが金田作画なコスモタイガー並みの変貌はもはやオリジナルパーツである)
・エアブレーキの開閉ギミックには溶接の技術が活かされている(焼却炉の開閉ドアに用いられた機構との事)
・機首アンテナをへし折った犯人はラブタコス版地球だけでなくディスプレイスタンドも共犯。地球は台座に固定してあったにも関わらず、台座ごとゴロンといってしまったそうだ
・コックピット左のスロットルレバーは出っ張りの向きが逆
・パルスレーザーのマウント位置が左右ずれていたのに気が付かなかったという
 その他、パテのヒケやエアブレーキパネルが反り始めたりして、素材や接着剤特有の症状が出ているという。まさに“Time waits for no one”
立体写真

パラレル・アタック

 エス氏はワンフェスで見たものを立体写真で記録しておられる。手間は2倍かかるが造形イベントの軌跡を最大限に伝える手法でこれ以上のものはない。星の数ほどWFレポが読めるネット世界だが、手間をはぶいてこぼれ落ちた情報はあまりに大きい。
 会場回ってない自分は、見目麗しき立体写真の数々で大いにイベント補完させてもらった。
しおりと一緒に  2005年に出展した時点ではこれほど実り豊かなリアクションに会うとは思わなかったラブタコス版コスモゼロ。核の部分は作りたいモノを作ればオッケーという自己満足のモチベーションが占めているものの、作れない出来のモノが外からもたらされ、そこから個人ディーラー旗揚げして初の綴じモノを刊行するエネルギーをいただいた。これ以上ないくらいの理想的なフィードバック体験。

 参加を重ねるほどに感じる他所様の造形レベル向上は、自然ワンフェスの敷居を高くしていく印象を受ける。しかしワンフェスへ参加するという能動行為は、弱小へっぽこ地方在住中年デブおたソロディーラーにも道端の石ころをダイアモンドに変える凄腕プライベーターと引き合わせるサプライズを用意してくれるんである。
 毎度毎度という訳ではないものの、“アクションを起こせば何かが起こる。そこにワンダーがあるんだからどんどん参加しておくれよぉ〜”とゆー叫びでこの項を締めくくりたいと思う。
(2007.4.25記)

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