ここからは07年2月に発行した「コスモグラフィックス」を元に構成しているため、フルチューンド・ゼロという表記で紹介させていただく。画像はなるべく未使用のモノを優先して掲載(繰り返すのが苦手な当方のモチベーション維持の為。どうかご理解の程を)。
※07年3月に追加画像をいただいたのでそちらも使用させていただいた。数々のカットを撮影されたエス氏に重ねて感謝します。
宇宙戦闘機ここに在り
コスモゼロはガンダム以降続く実在兵器・兵装を援用したメカニック表現より、松本零士という作家固有の様式が強く打ち出されたシルエットを持っている。この機首形状に並ぶオリジナリティは、現実およびフィクションの世界においてもいまだ登場していない。戦闘機という概念を2199年に具現化した傑作。それがコスモゼロなのだ。
機首から翼端、エンジンノズルにいたるまで前後方向に強調された導線が生み出す躍動感。リアリティを上回る“見栄え”を持った機体に死角なし。
エス氏は松本様式の結晶である本機を立体で再現された。ラブタコス版のガレキは本作のベースマシンといった位置づけでしかない。この機体はエス氏が組み上げ、新たに産み出されたフルチューンド・ゼロなのである(冊子より抜粋)。
松本零士分大投入
スケールモデルからのパーツ流用は一切なく、設定画のレイアウトをエス氏のフィルターを通して再現されたコックピット回り。手の入れ用は言わずもがな。何より松本テイスト重視のスタンスが嬉しい。これは作り込まれたすべてのパーツに共通する指針である。作ろうとする目標にブレがない。バランスがとれているのはシルエットだけでなく、自分の色を出そうという我欲に捕らわれないフラットな製作姿勢にも当てはまろう。
次ページへ続く。