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ここから先は日記兼用なのでランプ以外の記述もザクザク入る。為念。
時に西暦2004年2月22日
入場ゲート  7時29分のゆりかもめで有明へ。車内はそれっぽい人でいっぱい。印刷所の箱もチラホラ(別の棟で同人誌即売会もやっていたそう)。関西弁のグループが車窓を見て騒いでる。国際展示場前駅に着く前の事。ズラーっと行列ができている。行列の配置が違うのか、夏には見られなかった光景。今日のにぎわいが予想される。  8時にビッグサイト着。電話でDUNさんに到着を告げ、左記のディーラー再入場口付近で待つ。続々入っていくディーラーさん。リーダーから事前説明を受ける今回のイベント整理に集められた兄ちゃん姉ちゃんたち…… イベントへの気運が高まる。
忘却の60分
待ち合わせズレ ドナドナ  あれあれあれ……待ち人来たらず。電話してみるとすでに会場入りしているとの事。“じゃあもう一回入口(ディーラー再入場口)で”と再び待つが姿は見えず。“あれ、ひょっとして”と会場整理を始めた姉ちゃんに尋ねるとまるっきり反対側に入ることが判明。再び電話ボックスへ行き事情を説明“こっちから行きますので動かないで”と返事を受け、再々度待つがまだ見えない。
 またまた電話ボックスへ行き説明すると、俺がいるのは2階で、会場内でも同方向にディーラー再入場口があるという事が判明。DUNさんを2回も駆け回す事になる大チョンボ。ようやく出会ったのは9時を回っていた。はじめての西館にとまどう地方人モロダシ・ダンな決定的タイムロス。情けない、あまりに情けなさすぎるスタートである(ゲートをくぐる際、偶然にも「八広ディーシー」のあげだし氏とすれちがう。こーゆータイミングだけは用意してくれるのだから、ワンフェスの神様も皮肉なものだ)。
 D25—03、藤本窯のディーラー証を受け取り入場。いよいよ始まる世紀のお祭り。1時間遅れだが…… わずか30分の展示準備しか残されていない藤本窯。大半は俺のせい。加えて別のディーラーがブースを間違え、藤本窯のスペースへ荷物を置いてたというから二重の妨害に合う不運。
 そんな訳で、遊星ランプ一斉点灯ディスプレイやスタート前の店頭写真も、「八広ディーシー」への挨拶もできぬまま10時が近づき、カウントダウンが始まって冬フェスのスタート。“お待たせいたしました……”のアナウンスで、フライング会場ダッシュし、周囲から笑われる奴がいたが、そいつと同じくらい情けない俺。開場してもまだパッケージの両面テープはずす作業をしていた。今回の助っ人はUさん。展示準備を手伝ってもらった際、あれこれ指示しなくても状況を把握して動いておられる。去年の冬会ったその時の印象のまま、洞察力のある人だなぁと感心。
あれよあれよ
完売スケブ書き  ナベシンのようなカーリーヘアの兄ちゃんを皮切りに、見覚えのあるアニメの制服着たお姉さんが一度スルーしたものの、再び来てご購入(ヤマトイベントに持って行くという)だったりと、遊星ランプはコンスタントに飛んでいき、11時20分には完売。昨年に続き、スケブに完売の文字を書き込む快挙。造型の甘さを意に介さず手にしていただいたのだから、実に太っ腹の皆様である(なお、おまけにつけた惑星ランプは一切提示していない事をここに記しておく)。
 “キットを売り切った後に殴り書く「完売」の二文字がアマチュアディーラーにとってにステイタス。この快感を得るために、飛行機を使って遠路はるばるワンフェスを訪れる人も少なくない”と、ガイドブックにあさのまさひこが書いているが、まんま俺の事だ…… おだてる事が人の原動力として有効なのはこの例をみてもあきらかである。次回の保証など何もないし、利益など最初から設定していない側からすれば、見た人の反応だけがご褒美なのだ。
舞い上がりの影に……
 10時20分ごろ、玄関の靴箱の上に今回不許諾となった“いいもの”を置くスペースを確保しているとゆー、藤本窯陶磁器アイテムの愛好者がみえられ、残念な思いをさせてしまった。時間的に見ても行列の最初の方にて、その上で当ブースへ一直線に来られたのではないか。いったい何時から並んでおられたのやら……その後も“いいもの”目的の人は訪れてこられたので、こっちは謝ることしかできなかった。
 去年の夏、許諾が降りていた時製品が間に合っていれば……多くの人が楽しい思いでイベントを楽しめただろうし、その後起きた筆禍事件も起こらず、藤本窯の模様はずいぶん違うものになっただろう(いや、筆禍事件はいずれ起きる事だったな)。夏がOKで冬が駄目の間には当然理由がある。手元にある「当日版権取得マニュアル」を読む限り察しはつくが、“これこれこーゆー理由で”という回答は実行委員会からもらっていないので、明言は避ける。詳しい人には自明の事やしれんけど、WFでのお披露目はついに果たすことが出来なかった。期待していた人には実に申し訳ないです。
八広戦記2004
八広ディーシィー01  11時25分頃この道の先達、「八広ディーシぃー」のあげだし氏がお立ち寄り。前日まで型抜きしていたとゆードタバタぶりは想像に難くない。“いいもの”不許諾には食玩での販売も影響しているのではとコメント。昼すぎの自由時間にブースへお邪魔し、俺の知らないマシーネンクリーガーの楽しみ方などのレクチャーを受ける。日本語を解する欧米人の人が、あげだし氏の手になる「シュテルネール」に注目していたので、“ワールドワイド”という言葉が口をついて出たら“そうそう”という意味(であろう)の応えが返ってくる。
 模型を仲介とした愛好家同士の海外交流な現場を目撃する事ができたし、「ゾフィーエル搭載非常救命艇」の最後の1機お買い上げの場面にも出くわした。さすがWF、星野之宣濃度も高い。「八広ディーシィー」も出展数完売の快挙。WF同時デビューの身としてハレの場感も倍増。こうして自らが作りたいと思える対象を見ると、あげだし氏以前の通り名時代から知っていても、その嗜好の押さえ所は全く知らなかった事に気付かされる。立体化するまで臨界量に達したこだわりとゆーのは、作者のプロフィールを明確にしてくれるので、新作の度に新しい発見も得られるというもの。次回作の発表が楽しみである。
八広ディーシィー03  20年前の初春、今は無き長崎県佐世保発の寝台特急で上京したあげだし氏の人生選択は大正解に違いない。所帯持ちの造型活動の困難さもあると言うが、ど真ん中の趣味をお披露目できる場所へ30分なんて我に死角ナシではないか……(単純に交通費を考えてみたら80倍の格差!)
 迂闊にもここで口走った自身のコメントが俺自分を締めつけてしまった……言霊とは恐ろしい。
千客万来のわらわら
総統グラス完売スケブ書き  13時ごろブースに戻り、売り子モードにチェンジ。ヤマトアイテムが幸いしたのか、フランスの有線放送局が取材を申し出たので藤本窯プロデューサーであるDUNさんが対応。観る機会はないと思うが、欧州の地に非モデラー系陶磁器立体サークルがワンフェス会場の点景として伝えられるのは冗談のようである(編集でカットされない限り、日本のオタク文化を代表するコスプレと美少女フィギュアに総統グラスやガス生命体グラスが同列に置かれる訳だものな)。
 その総統グラスも1時30分に完売。追加生産の予定はないので、まったく接点のなかった立体造型の祭典に導いてくれた藤本窯処女作はその役目を終える事になった。まだ需要はあると予想されるが、供給体制が途絶えているので再び登場するとすれば、それは別ディーラー出展の線だけである。ありがとう総統グラス。総統万歳…… 今回、16時すぎにも会場を観てまわる機会を得たが、蠱惑的なキャラをフィルムに収める事もなく自ブースに戻って来た。無論、他ディーラーの諸作品は目を止める魅力があるし、WSCの「プレネールさん鮫背骨折り」は買っとけば良かったと後悔もした。それにも増して楽しかったのは当ブースに寄ってくれた人との会話で、自作を持ち込んでの参加という新しい楽しみ方を得た身からすれば当然といえる。(そもそもディーラー参加するならあ、それが当たり前なのである)更に「私掠船」というスケールモデルのディーラーさんのコメントがとても励みになる。
 モデラーだから参加するとゆー王道でない藤本窯を、広報や発行物、パッケージにいたるPR面、出展品のラインナップの統一感、アイテム選択の押さえ所といった点で評価してもらうのは担当者冥利に尽きる(ランプ入ってないが、パッケージを所望されたので謹んで進呈)。藤本窯のウリとゆーのは“用の発見を体現したアイテム”と“ウケ”の相乗効果にあると思っているだけに、これ以上の好意的コメントはない。それにしても藤本窯は、それぞれの職脳が作業分担に合致していたため、他の作業分野には我関セズの関係が災いし、アマチュア活動のノリを醸し出す事ができなかったのではと思う。
そして祭りが終わる
ブース卓上 やっぱりフィギュアの写真がないとWFとゆー気がしねえな。ページが色っぽくならない……
 開場前の大チョンボを除けばさしたる混乱もなく、5時のアナウンスと共に今回の参加も無事終了。最後までテンションを維持できたのと、グッと楽になった荷物量が嬉しい。かけちがえたボタンのまま参戦した身でも、この開放感を得られたのは幸いだった。
 自明の事だろうが、このイベントは“作ったもん勝ち”“参加したもん勝ち”の世界。半年に渡って仕込んだエネルギーはここに昇華したのである。
 すでに藤本窯のクライマックスは夏の幕張メッセに決定している。場の力も影響してると思えるので、この充実感をWF以外の場で得られるのか正直不安。ともあれ、予想以上に長生きした陶磁器立体サークルの最終回はこの目で確かめにいこうと思う。今はただぐうたら三昧……
(2004・3・7〜8記)

オマケ:今回ブースに立ち寄られた、知った名の人たち
14:20頃 岡田斗司夫夫妻?(女性同伴だったが確証ナシ) ガス生命体グラス見て“これかぁー”のコメント。本当はクリスタルの透明グラスなんですよーと、釈迦に説法な受け答えをして己の馬鹿さが身に染みる。
15:00頃 唐沢なをき夫妻 ガス生命体ブラス見てニコニコ。対応はDUNさんがあたっていたので横からチラチラ見ていた。これは惜しかったなぁ。
16:55頃 山口勝久&はぬまあんの二人連れ ガス生命体グラスと遊星ランプに爆笑。やはり藤本窯はウケ狙いディーラーに見えてるのだろうな。あと、ヤマトのアイテムを作っている会社の人が来られて名刺を置いていかれた。少しは企画の参考になったであろうか?
製作コスト一覧  という訳で、まる1年に渡って続けてきた遊星ランプ製作の記録も一区切り。改修の予定はあるが、基本コンセプトはすべて消化してしまったと思うので記録する事もないだろう。この製作で得たもの……俺はもう素人ではなく、初心者になったのだというくすぐったさ。そんなポジションを持てた事が最高のお宝である。扉は押せば開いたのだ。
(2004.3.8記)
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