プテラスピス号建造記 ‹‹ ラブタコス戦記060820 ›› トリカエデス計画 ダウンアイコン
 ワンフェスガイドブックの解説にある、殴り書きの「完売」という二文字のため飛行機使って遠路はるばる訪れるのがアマチュアディーラー……という端くれなのにスケブ忘れてきた愚か者の驚異祭り参戦。空飛ぶシカが訪れる季節にアップする神経もいかがなものか……
WF看板  ゆりかもめで7時半にビッグサイト着。レールに平行する路上にはすでに長蛇の列。会場に入り、かさばる荷物を宅急便集配所から運ぶ。両隣とも可愛いフィギュア系ディーラーさんのブースだったので、婦人下着売場に紛れ込んだ中年オヤジの如きプレッシャーを感じる自意識過剰ぶり。
ブース全景
ブース全景  今回も有明漫画祭りじゃベテランサークル主宰のDUN氏が義侠心参加。毎度毎度ガンド・ロワのアンテナ差しや地球モデルの電池入れなどという、シャア総帥に町内会の夜回り班長を任せるが如き役目を務めてもらう。かたじけない。
 それにしてもキュートでプニ感タップリなフィギュア群に挟まれると、工業高校的無骨さが一段と際立つものだなぁ……のラインナップ。やはりフィギュアは華である。量はないのに設営に悩むバランスの悪さ。台車戻してくると「八広ディーシー」のあけだし氏が来てたので新作についてひとくさり。と、前触れもなくオタキングの中の人がブースに来たのでビックリ。無論俺ではなくプテラスピス号チェックのため。
 オタク第一世代にとって、星野之宣は松本零士の次にSF漫画のビジュアルを展開してみせた漫画家という位置づけを持ってるハズだという思いを強くする。松本ラインの追従者は挙げられても星野デザインの後席に位置する作家は未だに知らない。30年経ってもモダン。バイクでいえば間違いなくカタナのオリジナリティに比する存在。自ら好んで亜流の冠を欲しがる輩がいる訳ゃないか。
今回のドタバタ
GRスタンドポップ  初出展の際間に合わなかったガンド・ロワディスプレイスタンドの製作。加えてプテラスピス号のパッケージ製作がスケジュールを圧迫、搬入量も過去最大になる。中空パーツ一切なしのレジンキャストは重い重い。ペパクラ出展ディーラー中、重さならどこにも負けまい(ペパクラで重さを誇ってどうする)。
 それでもマニュアルが不完全な良心回路なみの完成度のため、完全なるペパクラ版ガンド・ロワへの道はまだ終わらない。決着は必ずつけるのが自らに課した業である。ガンド・ロワ作った心意気を買い、購入を決められた神もいらっしゃった。そんな神に不備セット渡してしまったヌケぷりは許し難い大ポカ。交換する機会を逸したままなのが悔まれる。
プテラスピス号雑感
プテラスピスお披露目  注目する人は同年代成人男子が多かった。ブースを訪れてくれた方とデザインの凄さを語り合う。5隻出展し、購入された2名の方よりメールをいただいたのはかなりのリアクション。(当社比)
 インストに“本品は30年ぶりに出したファンレター”という表現を使っている。これの通じる人がWFやコミケには確実に存在するから九州の端っこから来る甲斐もある。
 ディスプレイスタンドの設計ミスで要らぬパーツを増やしてしまった事、ガンド・ロワのディスプレイスタンドとプテラスピス号購入してくれた方に失礼な対応をした事が反省点。どうにも自分は人の顔覚えるのに不自由な頭をしている。どうもすみませんでした。
地球2199雑感
地球ディスプレイ  再販なんで作りがいあったのは本体よりパッケの方。原型を作りキャスト抜きまでして作ったプテラ用パッケよりはるかに楽に作れ、かつ本体のイメージをパッケの方へ落とし込めた。箱しょった銀髪の青年とデカボタンの青い制服女性のコスプレ(原典は無知で不明)カップルに当ディーラーのパッケージコンセプトをほめてもらう。
 前回地球のコンセプトを評価してもらった池田満寿夫夫妻風のカップル同様、男女双方の目を通して同じ評価を得られると生業モードの自分も嬉しくなる。まだ現役でいられるかのぅ…… エルメスをヘルメスと読んでしまった世間知らずに。
豆腐とお米のコラボレーション
S-C-KIN
 今回、自前の出展以外に注目したのは「八広ディーシー」の新作スペースシップ。主宰のあげだし氏が高校時代に産み出した企画『ノーアメンバーズストーリー』からの立体化モデル。それも友人知人等によって数多く編まれたオムニバス漫画の中から、俺の描いた短編に登場する機体レイアウトを採用したものだったからビックリ。(別文脈によるハイディテール版モデルも実在する。自分が語る任ではないので割愛。なお物語の主役メカは本来双発である)
 ちなみにディスプレイモデルの横には二〇年前の原稿が!うわぁああああ〜。まさかビッグサイトで過去の自分に出会うとは……タイムリープは一週間前後にした方がいい。5年前の自分にだって会いたかねぇ。
 ともあれ、立体の分野で復活の端緒を公開したあげだし氏のオリジナルシリーズ。永きに渡る青春時代への最終決戦か、はたまた次世代へ向けた新訳なのかは知らねどこれからのリリースが楽しみである。WF参加して初めて買ったガレージキットになった。
きっかけはガンガ・ルブ
クマクマアリス版ガンガ・ルブ  右図は「クマクマアリス」さんのオーメ財団セットより。(既に完売だった)実にグッドバランス。ブログがめっぽう面白く、“絶賛してるなぁ”とゆーのが『時かけ』観に行った最大動機。人の運命を変えるのはチョットした巡りあわせ。記して感謝の意を表します。
うりこひめ様と王子様
出張スタッフ  今回もDUN氏のサークルで活躍中のうりこひめ様、美雨(みう)さんがコスプレ参加の合間に慈愛の手を差し伸べ、同じくDUN氏つながり、同人誌方面で活動中のUさんが後半ブース入り。有り難し。
 美雨さん、前回のWF初体験の後『キル・ビル』に出てきたというガンダムハンマーみたいなヤツを自作したそうである。これがワンフェス効果というものだ。
夏は陽が暮れるのも遅い
ブース後半  別コーナーでアップしているように、ブースに訪れた岩手よりWF参加のSさんからラブタコス版コスモゼロハイディテールフルチューンドバージョンの経過写真をいただき、ディーラー冥利な嬉しさを味わう(既に完成写真もいただいているが、これは次回の冬フェスこそ公表の舞台と現在編集中)。
 と同時に、WF参加の根っこにドロドロとした暗い情念を含むラブタコスのガレキへ、モデラーとしてガップリと向き合っていただいたピュアな精神に申し訳ない気持ちも急浮上。今の所楽しさで塗りつぶしているものの、中心に抱える捻れが補正できなくなったらいとも簡単に活動のトラクションが抜けてしまうだろう。
 今回はまったりと時間が流れ、閉会まで満ち足りた気持ちでいる事ができた。会場にはどんどん知らないキャラクターが増え、ぶらついてると造形水準が一段階上がって肩身狭くなってくなぁという威圧感を受けたにも関わらず……(参加した時からして既に老兵だ)
 欲しいものだけを作ってるウチはブレが少ないせいだろうし望外の協力やリアクションが得られるのも大きい。また今回も夏の思い出が出来て良かった。上向きの気持ちのまま閉会の拍手できたし。
 ハマる作品があるといとも簡単に仕込み作業ホッポリ出してしまう移り気野郎なのは、今年後半よーく判ったので次回の抱負はない。目をつぶってるから綱の上をそぞろ歩ける、行き当たりばっかりモヤシっ子ディーラーの顛末を待たれよ。(2006.12.19記)
付記 夏フェス06モデル製作コスト (消費税入れたり入れなかったり)
ライトモデリングペースト×3
イラストボード(B3・2mm)×60
イラストボード(B3・1mm)×35
スチレンボード(A1・2mm)×2
白ボール紙(8切)×10
木工瞬着ボンド×5
スプレーのり×4
シリコーンゴム(1kg)×23
WAVE レジンキャスト(2kg)×3
GKキャスト(2kg)×5
ハイキャスト(2kg)×2
型取りブロック×1
ファンド粘土×6
ほいく粘土×4
4567
10584
12624
2078
504
1250
2940
54625
9417
13805
7098
4000
3190
924
スライドスイッチ×7
電池ケース(単4)×6
タッピングネジ
発光ダイオード×7
ブレーキクリーナー×1
リキテックス(黒)×1
サンドペーパー(#80)
サンドペーパー(#240)
サンドペーパー(#600)
シリコン用瞬間接着剤×1
瞬間接着剤×1
ハイスカッター(3本セット)
水切りパッド×1
計量カップ×3
TOTAL
735
756
105
1470
580
273
105
80
80
520
320
2047
100
300
135,077
 イラストボードはまとめ買いで2割引のお得だったがトータルは前回よりコスト高。ガンド・ロワディスプレイスタンドとプテラスピス号のパッケ製作が超過原因。殴り書きの「完<売」云々を笑えない。田舎じゃ経験できない事を考えれば、オタクの国への渡航料みたいなものやしれん。お土産もあるしね。
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