トリカエデス計画 ‹‹ エロフィギュア挑戦篇 ›› ラブタコス戦記070225 ダウンアイコン
 ワンフェスの隠語であるオッパイ祭りへのリスペクトとかヒトはどの段階からエロを知覚するのかなどというお題目は一切なく“準備期間が例年の半分という時間内でチャッチャと出展できるアイテムはないのか!”という1参加1新作の要求で浮上したのが、この『双極球体にゅうにゅうちゃん』誕生のいきさつである。てな訳で、この項もチャッチャと始めてチャッチャと終わらせようと思う。
球体以前
元絵  原典は2001年1月に福岡で行われた同人誌即売会へ売り子参加した時に作ったオマケ本「nurse・factory」(←リンク)に掲載したイラスト。
 『Adobe Dimensions』という3Dソフトを覚える過程で生まれた形状を彩色したもの(今回ポップ関係を作るにあたり出力解像度と彩色だけやり直した)。思えばこのソフトで作った総統グラス(本名:独裁グラス)がきっかけとなりワンフェスへの縁が生まれ、売り子から原型師デビューとなり、アマチュアディラーとして自分の看板で参加するようになったのだから、ソフトの性能以上に貢献したアプリケーションである。
 その反面、モニター上での立体表現に関してはとんと興味がいかなくなってしまった。生業的には後退してんじゃないかと思う罪作りなヤツだ(両方やれるだけの器量がないともいう)。
 造形センスやスキルがそんなに要求される訳ではないので、どうやって立体に起こすかをスケッチしながら考える。その過程でiMac風のディスプレイスタンドは没になり、テトラ状の置き台に変更する。結果、倉多江美の短編『球面三角』の字面とだけはリンクできてちょっとマイウェイ的に満足。
実はパッケ先行モデル
パッケ写真  画像データはすでに準備されていたのでパッケージの方が先に完成する。ラブタコスアイテム=見立てパッケージの法則に沿い、いつかは使ってやると暖めていたテトラパック形態をようやく利用する事が出来た。あまりにもベタで恥ずかしいのは重々承知。よくも会社で組めたもんだ。
2007.1.28
一次原型01 一次原型02 完成原型  冬フェス開催一ヶ月を切ってようやく原型に取りかかる。またもお世話になったのがガチャポンのケース。丸いアイテム造りには欠かせない第一級素材が四度目の登場。元手がタダというのがなんともはや……
 対称アイテムのため一次原型は半球だけ作る。硬質ケースにボルトを通し、突起部分の芯材として使用。そこへファンド粘土を被せて大まかなカーブを作る。粘土が乾燥したあとペーパーがけしてラインを整えシリコーンゴムで型取り。複製したレジンキャストの半球をつなげて二次原型の完成。
 接着はレジンキャストを接合面に流してくっつける。ここでトラブル発生。流れ落ちたキャストが下部分の突起にまで達し、授乳部分のカーブが乱れてしまう。
 まぁ同じポッチがあっても味気ないだろうと自分をごまかし、ヤスリがけして取り繕う。自分が版権元だったらいかにルーズにやれるかという証明。後はひたすら磨いて段差のない緩やかな曲面で構成された形状へ近づける。マグネトロン・ウェーブにも耐えられるシームレス戦闘機の様に。はたから見ればただのおっぱい磨きな中年デブオタでしかないのだが……
 突起部分のリアリティはエロ同人誌のクオリティには及ぶべくもない記号的な再現にとどまっている。愛情の差とでもいおうか。最終的な仕上がりは購入されたモデラーの方にかかっている事は、ラブタコス版コスモゼロの作例を見れば理解いただけると思う。ご縁があれば購入された方の作例とまみえる機会もあるだろう。
テトラスタンド製作法
スチロール原型01 スチロール原型02 スチロール原型03 完成原型  スタンドのラフ(タイトル画像参照)を描いた時はどんな立体構造なのか把握できなかった。そこでプテラスピス号作った時のノウハウを活かし、現物合わせで作る。ケント紙で四面体を組み、モデリング用スチロール(仮称)を削って差し込みながら面を揃え、球体の接地面は直接球体原型を押し当ててアタリを取る。
 大まかに削った所でライトモデリングペーストを塗布。これで一次原型の完成。そのあとシリコーンゴムで型取り、レジンキャストの二次次原型を取り出す。後は磨いて平滑度を上げ完成。凹凸が気になる部分は「ほいく粘土」を塗りつけて滑らかにしてディスプレイスタンド原型の完成。パッケともどもテトラスタイルに統一され、うまく落とし所がついたと思う。シリコーンゴムの複製型も片面取りで済み、パコパコ抜けてストレスがたまらなかった。
 三角というカタチは昔から惹かれるものがあり、25年ほど前の卒業制作展に三角柱の木箱作って提出したのが立体として最初の記録である。同人誌でも三角錐のフライングマシンを描いたことがある。いまは物流とガレキ市場の拡がりのおかげで九州の端っこにいてもレジンキャストやシリコーンゴムが手に入る環境がある。
 70年代から80年代初頭に今の環境があり、学校の授業においても樹脂による複製の科目があったら、漫研の他にも模型研究会というサークルが生まれ、10代で手を染める機会もあったかもしれん。ガンド・ロワやコスモゼロは無理でもこのモデルなら当時でも作れるだろう……と思ったが今よりずっと堅物で健全な自分におっぱいは無理だったに違いない。中年とは少しずつ拘束が緩んでいくものなのだなぁ。下腹部とか特に。
にゅうにゅうちゃん原型
原型ゴム型  こうして、わずか2パーツで構成されるラブタコス10番目のアイテムは完成したのである。このお手軽さはクセになりそう。文明の発展はいかに楽をしようかというのが根底にあると思わずにいられない作例だろうなコレ。
 ともかく1参加1新作の目標は達せられ、無事冬フェスのテーブルに並べる事ができた。立体の息抜きを立体でとったようなアイテムではあるが、ラブタコスのオリジナルアイテムだけにそれなりの愛着も入っているのは確かである(入れるべきはエロ分だろう普通)。(2007.3.7記)
トリカエデス計画 ‹‹ エロフィギュア挑戦篇 ›› ラブタコス戦記070225 アップアイコン