よって帰宅時の高速バス内で記したメモからアイテム毎のエピソードを中心に紹介する事に。多少の記憶ズレはあると思うがご容赦を。飽きるヒマもないイベント参加に終わって大満足。作ったものを通して声が届く……アマディーラーにとってこれ以上の成果はあるまい。
前日覚え書き
17時半前ホテル入り。和室のため荷物広げてテーブルで作業ができた。「キンコーズ」でペラモノ出力、戻って「CG」の製本。ガンド・ロワマニュアルと「にゅうにゅうちゃん」塗装はあきらめる。2時間ほど寝た。中年デブオタは脂肪と寄る年波に勝てないのか。
コスモグラフィックス覚え書き
今回のワンフェス参加がコミケモードだったのはこのしおり本のため。A5・28P・フルカラーの仕様は過去作ってきた綴じものでも最大の豪華仕様。なにせ岩手の凄腕プライベーター、エス氏が組み上げた極上のビジュアル素材が揃っているのである。キッチリと伝えなければオタクがすたるというもの。一番観て欲しかったアイテム=しおりというのは世界一の造形の祭典に参加するディーラーとしていかがなものか?こちらの願いとフルチューンド・ゼロそのものの魅力が通じたせいか、献呈用とラブタコスアイテム用を除いた配布分は全て来場者の手に渡る。アイテム残ったので付属分のやつも一部希望者に進呈した。今回の人気アイテムは文句無くこの一冊。モデラーのこだわりを体現したエス氏の作例は同じ血を持つ人間に絶対伝わるものがあると思う。冊子とデザインのコミュニケーション機能も発揮できたと生業的にも嬉しい結果だった。
何度でも書く。今回のように自分の作った物が自分の労力以上の手間と時間と情熱を経て、別次元の姿となって届けられるなど40年以上生きて初めての事。地元でちまちまやってたんではまず起こらない。ディーラー・一般参加者共にワンフェスへ足を運んでこそめぐりあえた奇跡である。ワンフェスのワンダーとは主に超絶造形を目の当たりにする状態を差すが、ガレキを仲立ちとした会話が発生する事例にも当てはまろう。これが起きれば“完売”なぐり書き用のスケブも要らない……ちょっと強がり。
最初のもらい手は設営中挨拶に訪れたコスプレ&売り子参加の岡ぽんさん。関西から高速バスで上京できる若さがうらやましい。続いて本サイト以外に「CG」を紹介してもらったクマクマアリスさんが挨拶に来られたので進呈。サイトの空気通りオタクだけどオサレを両立した人だった。新作のソロシップは開始45分で完売という。さもありなんという完成度だもの。
10時の開会と共に始まるDダッシュ。まさに勝敗を決する10時台に「CG」だけ求めに寄ってくれた人がいた。“これが出るのを待ってました”(うろ覚え)これでテンションが上がる。ディーラー冥利というか同人サークル冥利というか、二次元も現役!って気にさせていただいた。
表紙のおかげで、コスモゼロ初出展時に訪れた方も見えられコスモゼロ話。当然EXモデルが俎上に登り“コスモゼロをF16テイストで解釈すんな”(意訳)という共通認識で盛り上がる。とはいえ初出から30年以上も経つと、世代差やどのビジュアルを刷り込まれたで解釈が異なるのは仕方ない。ならばいろんなバリエーションが発表されて活性化すればいいという方向へ流れる。各々の解釈による表現モデルが増えれば確かに見応えがあるし楽しくなる。「オラザク」ならぬ「オラゼロ」か。ラブタコス版の三面図ベジエデータも公開してはという話になる。圧縮データやPDF形式で埋め込めるならやってみようと思う。
冊子というフォーマットの話
過去のワンフェスにほとんど参加したという群馬からの方やアニメの図鑑や特集本に携わったコピーライターのという方と、参加者の視点で捉えたワンフェスの記録が出ないかという話をする。webに多々上がっているレポではなく、冊子という形で会場に並んでいればという点に関心が集まる(コミケカタログの「まんレポ」が最もイベントの空気を伝える媒体であろう)。商業誌のWF特集がすくえない部分を物足りなく思ってる人は存外に多いのだ。なんて事を話してて、イベント終了後にディーラー袋まさぐってたら[WFLOG(ワンフェスログ)」というワンフェス読本がトイズプレスから発行予定という告知シートが入っていた。本格的にイベントを記録しようという動きが商業誌にあることは喜ばしい。が、なにより編集というフィルターを通さないディーラー発、一般参加者発の綴じものこそイベントの空気を伝える一次資料になる。立体は観る、冊子は読むで同じ会場にあっても衝突はしないだろう。「CG」作っておかげでこんな話題も交わす事ができ、どーじんの血が活性化する。楽しくってしょうがない。
正午を回った頃、「CG」の主役である岩手のプライベーター、エス氏が来訪。まずは喜んでもらえたので一安心。そのために作ったんだから無事本懐を遂げる。ちょうど「八広ディーシー」のあげだし氏が来たのでエス氏を紹介。とたん『さよならジュピター』話。本ディーラーの出展物みればお判りだろうが、自然立ち寄る方も7、80年代にこちら側へ魂を振り込んだ層がメインなのでむべなるかな。タイトル写真下に座ってる古代進と名称未設定ちゃんは夕方の再訪時に見せていただいたもの。画像データから予想する以上に小さくって驚愕。名称未設定ちゃんの口元に引かれたスマイルラインはとんでもなく細かった。「CG」中に書いた通りナマ直視に敵う媒体はない。
エス氏のフルチューンド・ゼロ取組みのきっかけ。実はキット梱包時、俺がパーツ入れ忘れた事から始まったという。欠品の連絡を受けた際お詫びにキャノピーを一個余分に送付、それでエス氏はキャノピーの開閉モデルを作ろう→コックピットの中が見えるので作り込もう→着陸時の表現になるので降着装置をつけよう。という流れで組んでいかれたという。その連想を実行に移してしまうのがエス氏の非凡な所である。正調零式誕生のきっかけがこれとはムグミカ様でも気付くまい。
このフルチューンド・ゼロ、一回破損したそうである。犯人はなんとラブタコスアイテムの『地球2199』。お前かよ!転がって激突、美少女の指先みたいな機首アンテナを折ってしまったとか。固定台座でないばかしに……恩を仇で返してどうする地球。
今回日帰り強行軍というのでエス氏は閉場前に帰られる。これからも会場を行き交うワンフェス紙バックの中から、原型師のもとへ驚愕の贈り物が届けられる奇跡が起きるだろう。その原型師が今回みたく広くPRしてくれん事を。感動はきっと伝播する。
ブースに入ってたうりこひめさま(今回は騎士同伴)こと美雨さんが、時折合いの手を入れてくれた。エス氏が帰られた後、くっちゃべってる状況が“二人とも少年のような顔で話してましたよ”あんたは『LIVE!オデッセイ』のプチかーと脳内ツッコミ。コケティッシュなお嬢さんにこんなオヤジ殺しのセリフ吐かれちゃ中年デブオタは抗しようもない。
作る事のごほうびに恵まれた「CG」製作。ここまでテンションあげてくれるケースはもうないだろう。時と場所と人のもたらした奇跡の成果。自力では到達できない他力あってのライブはこれで完奏。フルチューンド・ゼロの画像はサイトにアップするが、それは記録であって記憶ではない。07年の冬フェス公開こそすべて。手にとってくれた方すべてに感謝します。
にゅうにゅうちゃん覚え書き
新作である。なのに色すら塗ってないディスプレイモデル。生みの親としてどうよって所。一応ファンデーションやリップといった着色材は持参したものの化粧までいたらず。おーさか行きとか「CG」のプリントに2日かかったりのしわ寄せをモロ被りのデビューとなる(DUN氏に塗ってもらうとゆー公開羞恥プレイも考えたが、王妃とプリンス同伴の氏にそれは無理な話)。ポスターやパッケのビジュアルはどうみてもエロディーラー風味。もっともここでは平面を蹴散らす立体そのものがここかしこに林立する大人の世界。この程度では歯牙にもかけられない。形状そのものへの関心はさすがワンフェス、通じる人がいるもので3個もらわれていった。プレス証つけたカメラマンの人も撮影していった。どこかに登場するというのか?君は!
ともあれちゃんとしたディスプレイ仕様で登場させるのが原型師の務め。次回は完成形をお見せできよう。転がらないよう真鍮線通した上で。それにしても丸いアイテム好きだなぁ俺は。
プテラスピス号覚え書き
初出展時に急場しのぎのディスプレイスタンドで対応したため、新規製作しての再販。前回購入者分も缶詰パッケで用意する(3名の方に渡せた)。ディスプレイモデルも塗り直しで臨む。色味間違えてんだが光沢抑えたマットコート仕上げで、プテラスピス号の面構成は見やすくなったと思う。パッケージもレジンキャストボディからスチロールに変更、軽量かつ作りやすくした。手がけられる部分はこれで完了。「藤本窯」時代から度々寄ってくださるプロモデラーの方としばし歓談。何故なんだろうと思った疑問も氷解させてもらう。スケールモデルの潜水艦を作られてるので、こういうキャラクターモデルはどうでしょうと伺ったら杞憂だった。プテラスピスのみならず、宇宙も海中も星野メカにスケールものとの境界はないという力強い回答。確実に刷り込まれた世代は存在する。さすがにプテラスピスの推進方式の特定は出来てもどこから取水しているのかは?との事。俺も未だに?
前回購入された方から嬉しい話。製作は中断しているとの事だが、艦体前部に小さい懐中電灯仕込み、あのシーン仕様を作っておられるという。開閉状態のパネル面はどうなっているのかサッパリなので、どう解釈するかに作り手の個性が発揮される。おそらく世界初の立体化だろう。完成の暁には是非公開していただきたい所。
ガンド・ロワ覚え書き
開会まもなく“ガンド・ロワください”という声。“いいんですか!?”と俺。ディスプレイはおろかキットの仕分けすらしてない状況だったので、一端他を回ってもらい後から手渡す事に。百科事典2冊分ほどの荷物はさぞ重かったでしょう。お手間をとらせてすみません。新規ディスプレイモデル、彫り込みは完了、パネル3枚の掻き取りを残した段階での持ち込みとなりマニュアルも前回のままである。1時すぎから組み立て開始。閉会までに完成する事はできなかった。前日つーか今朝の仮眠時間分あれば一応の完成形を披露できた事であろう。年々処理能力と耐久性が低下している証左か。パーツ接着毎に撮影したのでマニュアルと「ガンド・ロワ補完教室」の画像は準備完了。長き戦いに終止符を打つ日も近い?
初出展時に購入された方が寄られてひとくさり。“とても作る気にはならないけど、コンセプトが気に入ったので大事にします(意訳)”との事。作者も逃げ腰になる無理強いキットだけにさもありなん。原画用紙以外は普通に使えるイラストボードや接着剤といった画材なんでなんかに転用してくださいとコメント。ブギーポップの笑顔みたく複雑な気持ちになるインプレッションだったなぁ。一発でモールドをプレスできる印刷用鋼板とかレーザー彫刻機を扱えるお金持ちだったら全て解決するんだが……ってなぜそこまで紙にこだわる。
いろいろ覚え書き
「CG」の見立て元である「MG」誌が「CG」撮影していったので“パロってすみません”とへりくだる。しかし撮影するなら何故エス氏が投稿したというフルチューンド・ゼロはどうして掲載されなかったのだろう。同じ素材だというに。やはりというか当然というか『時かけ』フィギュアも出展してあったそうである(ブースに寄られた方の報告)。「CG」効果で愛知からという方と「時かけ」話も出来た。愛知での舞台挨拶を観られたとかでうらやましい限り。上映しなかった県ワーストに輝く長崎なんぞは所詮アニメ分の薄い不毛地帯なのだ。
うりこひめさまからはおにぎりとサンドイッチの差し入れをいただく。うぉ、ここはライトノベルの世界か!ワンフェスとは関係ない話でDUN氏がうりこひめさまにプレゼントしていた「日清どん兵衛」は関西地区のもので関東とダシが違うという。普段苦手な「どん兵衛」も関東地区のやつなら舌に合うかもしれない。
設営覚え書き
仕込み不足のままの会場入り、ブースに荷物置いてたら卓番号まちがえててそこのディーラーさんに迷惑かけたり、撤収に手間取ってDUN氏の用意した宴席遅らせてしまったりと、注意散漫段取り不足に手際の悪さが目立った。ブースのディスプレイイメージだけはずっと考えていたのでほぼ予定通りのレイアウトを実現。パーツやパッケやポップをすべて見てもらいたいという縁日の露店様式なのでスッキリした卓面は望めないが、ソロデビューしてようやく机に布引きを行い、少しだけゴージャス感を演出できたのは嬉しい限り。全アイテムをターンテーブルに載っける事ができたが、未完成品の展示に手動方式の説明不足でうまく活用できず。グルグル回して楽しんでもらえるPRが必要。ラブタコスアイテムに壊れ物扱いの配慮は不要だし。ディスプレイはまだ手をいれる余地がある。
付記 冬フェス07モデル製作コスト (消費税入れたり入れなかったり)
フック付クリップ(2個組)×3
なんかのレール(1820mm)×2
クランプ(2個入)×6
のりパネ(B判5mm)×2
ペディキュア(白)
ファンデーション
パフ
キャンディリップ
スプレー缶(青)
なんかのレール(1820mm)×2
クランプ(2個入)×6
のりパネ(B判5mm)×2
ペディキュア(白)
ファンデーション
パフ
キャンディリップ
スプレー缶(青)
315
462
630
2058
105
105
105
105
525
462
630
2058
105
105
105
105
525
艶消しクリアー
ラッカーうすめ液
スプレーのり(定着)
GKキャスト(2kg)×2
waveレジンキャスト(2kg)
シリコーンゴム(ワッカーM8012)×2
ユウビ造形離型スプレー
スプレーのり
コスモグラフィックスプリント
total
ラッカーうすめ液
スプレーのり(定着)
GKキャスト(2kg)×2
waveレジンキャスト(2kg)
シリコーンゴム(ワッカーM8012)×2
ユウビ造形離型スプレー
スプレーのり
コスモグラフィックスプリント
total
525
128
735
5522
3139
4750
1730
105
43119
64,163
128
735
5522
3139
4750
1730
105
43119
64,163
なんと前回の半分というコストで過半数がしおりのプリント代。今回の参加が同人モードだったことの証明である。しかもアイテム総重量の最大ウェイトはガンド・ロワのイラストボードが抜きんでている。お里が知れるというやつかも。
今回の冬フェス参加は仕切直しを基本に臨み、実にうまい事いったと思う。設営のもたつきや組み立てが間に合わなかったりしたのはソロデビューの頃と同じだが、毎度立ち寄ってくれる方や何の利得もないのに現役編集者やコスプレイヤーのお嬢さんがブースに立ってくれるおかげで、人類最大の敵「退屈」の魔手を退けている。4年足らずでも参加による積み重ねを実感。“あぁこれは節目だな”という空気を感じた1日だった。
自分にとっての三大アイテムはすでに送り出した事だし、後はゆうるりとネタ切れの階段を下っていこう。願わくばもっとこちら側でのワンフェス参加が増えん事を。受け手と送り手の銀河障壁など案外スルリと越えられる事はこの項を読めばお判りだろう。祭りの山車は多い方がいい。ワンダーを体験できる最高のポジションは口より手を動かせば手に入るのだから。(2007.3.11記)
今回の冬フェス参加は仕切直しを基本に臨み、実にうまい事いったと思う。設営のもたつきや組み立てが間に合わなかったりしたのはソロデビューの頃と同じだが、毎度立ち寄ってくれる方や何の利得もないのに現役編集者やコスプレイヤーのお嬢さんがブースに立ってくれるおかげで、人類最大の敵「退屈」の魔手を退けている。4年足らずでも参加による積み重ねを実感。“あぁこれは節目だな”という空気を感じた1日だった。
自分にとっての三大アイテムはすでに送り出した事だし、後はゆうるりとネタ切れの階段を下っていこう。願わくばもっとこちら側でのワンフェス参加が増えん事を。受け手と送り手の銀河障壁など案外スルリと越えられる事はこの項を読めばお判りだろう。祭りの山車は多い方がいい。ワンダーを体験できる最高のポジションは口より手を動かせば手に入るのだから。(2007.3.11記)