ワンフェス出場停止報告 ‹‹ 汎用単座航宙機製作篇 ›› ラブタコス戦記20080803 ダウンアイコン
 夏のワンフェスに参加できないアマディーラーのくせに何故日々の暮らしは参加モードなのかといえば、版権申請したアイテムは当日提出の義務があるからである。たとえそれが商業作品ではないアマチュア作品であり、さらに原作には登場しないオリジナルの機体であっても同様。申請したからには作るのがディーラーのお約束。うかつなディーラーであっても版権落としの悪行などラブタコスには無縁である(悲しい強がり)。

ノーアメンバーズストーリー

本 B5判30ページ・軽オフセット・1984年発行
 本作の版権元、八広ディーシィー主宰のあげだし氏が、高校生の時仲間たちと作った同人誌。自分は2冊目の発刊計画時に参加して何本か短編漫画を描いた。
 いまだ2冊目刊行の情報は届いていないが2006年にあげだし氏が主役メカの派生型「S−C−KIN(えす・ちきん)」をワンフェスで発表。第三者の目にふれるカタチ(ここが重要)として22年ぶりの続編、作品のビジュアル展開(※1)に最もふさわしい立体物の姿で登場したのである。
 “じゃあ俺も”という便乗ネタなのはその通りで申し開きもないが、こちらも約四半世紀の時を歩んでの立体作業。今の自分ならこうなるというC−KINを作ってみよう、作れるかというのが今回の挑戦である。
※1 先行しゲームでのビジュアル表現もあった。俺の立体ネタより面白いことは保証するものの、それを作った当人が語るべき事なのでここでは割愛。
目標覚え書き
90年のスケッチ 1990年、サイドストーリーを考えてた頃のスケッチ。お話はご多分に漏れずポシャった。
 作品に登場するC−KINは戦闘/攻撃を旨とする宇宙軍用機。関わった同人作者の数だけ派生型があり、原作者あげだし氏の強制定義(しばり)はない。ないにしても“ジオン=モノアイ”といったおおざっぱ特徴を持つ方がC−KINのポジションに統一感が出せると思う。原作に登場するオリジナルC−KINを範(※2)とし、自分なりの機体三原則を作って製作する事にする。
C−KINとは
  • 円筒状の兵装ポッドを持つ
  • 推力を90度変更できる推進器(バルキリーの脚みたいなやつ)を装備
  • 機体下部に巨大なフィンがついている
  • 長剣状のアンテナ(もしくはスタビライザー)が突き出ている
特徴をもった機体である——で、やっと前口上が終了。以下は製作のベースとなるシルエット検討の航跡。
※2 オリジナルC−KINてどんなのよ?と思われる向きもあろうが、それは原作者が先に発表するのがスジと思う。それも立体で。その日が来るのを当方も期待するものである。
雑 談
 今回のモデルに細かい設定はない。なにしろ原型作ってからそれに乗っ取って登場する原作漫画を作るという歴史ねつ造スタイルなのだから(間に合うのか漫画?)。よって、パーツのつながりがスムーズに見える事を第一の目標とする。
スケッチ1 01 最初の落書き 2008.2.21(thu)
スケッチ2 02 全体図を描いてみる 2008.4.23(wed)
スケッチ3 03 ブロックの接合部を考える 2008.4.24(thu)
スケッチ4 04 シルエット固まる前にディスプレイを考えている(早すぎ)。目が入ると何でもキャラクター。 2008.4.26sat)
 線を引っ張ってると富野由悠季や松本零士、ルイジ・コラーニの曲面はすげえなと思い知らされる。機能が形態に従おうが意味なかろうが、解析するよりも先にカタチのインパクトが刷り込まれてしまう。考証的ツッコミ入れるより“どっからでてくるんだこのライン”を楽しむ方が健康的である。
提出画像 05 版権申請時のスケッチ 2008.4.29(tue)
 で、自分のお手本もそっちに求めての作業がこのページに残したスケッチという次第。メカニックデザインというより好きなラインを集めて構成したメカもどきの実現を目指している。いわば“ボクの考えた理想値のプロポーションフィギュア”追求とでも言おうか。オリジナルなんだからまず自分を満足させないといけない。
 機体表面に線がシャッシャと刻んであっても立体のビジョンはツルツルの表面を想定。イルカやイカみたくつなぎ目を感じないように組み上がれば最高である。この段階では口の方が先走って見苦しい事この上なし。次は本ページ最後に載ってるスケッチを元に原図を起こし、プレ原型に移るが、いまだに曲面がどうつながっているのか描いてても判っていない。その自信のなさが言葉を増やしてしまう。
 シルエットはだいたい固ってくる。が、好事魔多し。気の緩みがでたのかイベント参加要項の事を忘れてしまいワンフェス実行委員会から参加停止処分を受ける。この場合、間違っているのは世界の方ではなく俺の方である。あぁ情けない。
 推進器の支持架部分がイメージできないので再考。立体化したら尻餅つきそうでも三点支持に変更し自立をめざす。側面はイメージ出来ても支持フィンと機体がどういうカーブでつながっているのかよく判らず。兵装ポッドと推進器を可動させる方法は未解決。
再考画像 06 修正スケッチ 2008.5.23(fri)
側面最終イメージ
後方イメージ
07 最終スケッチ 2008.6.13(fri)
 お腹のカーブが気になり、主要パーツのジョイント法もイメージ出来てないが後は手を動かして考える事にする。出展できない喪失感をかかえつつ、それでもワンフェスへ行く動機が持てる蜘蛛の糸なみの希望。
 崖っぷちの立ち位置をしばし忘れ、作業場の換気扇が回り始める日の到来を待たれよ。更新は……やっぱイベント終わった後かのぅ。(2008.6.16記)
スケッチ重ねても“コレっ”という判断ができないので削りながら考える事にする。まず一次原型の製作。なお、シルエットが固まるまでの経過はこのページへ継ぎ足していくのでひとつよしなに。
設計図
図面 08.6.21 sat 側面図のまずさをクリアしないまま出力
 この時点でスケッチからのトレス線に迷いが生じている。顔である機首部分がどうにも定まらない。ともかくプリントアウトして一次原型のアタリにする。一次原型は従来通り紙とスチレンボードをメインに組み立て、モデリングペーストで目張りしたものをレジンキャストに置き換える段取り。
兵装ポッド
兵装ポッド 08.6.21 sat 結局7.8に直径を一回り小さく削り取る
 1ミリのイラストボードを重ねて上下二分割のパーツを切り出す。5ミリほど中をくり抜いた状態になっても結構重い。
 機体の前後バランスには有効でも可動パーツを想定しているのでジョイント部分に無理がかかりそう。
推進器
推進器 08.6.22 sun 結果的には中空用の一次原型になる
 5ミリのバルサ棒にイラストボードの穴あき円盤を各ポイントに差込み、その間をスチレンボードで埋めてペーパーがけする前の状態。素材の軽さから浮き作ってる感じになる。旋盤があれば簡単・正確に削り出せるのだろう。
機 体
機体 08.6.22sun-6.23 mon 思えばこのフィンがネックだった訳だ
 機首部分と後部フィンはスチレンボードの削り出し。削るのは楽でも左右対称のフィンを作る難しさが残るので、削りマージンを大きく取って摺り合わせていくことにする(機体も同様)曲面のつながりを型紙で起こせないので目測が最大の目安。確実に発生する誤差については目をつぶるしかない。
一次原型
一次原型 08.6.29 sun キャスト粉まみれの始まり
 レジンキャストに置き換えた状態。推進器はちょっと重かった。軽量化の必要を感じ、ゴム型の内側にファンド粘土を貼って中空パーツを作ることにする。後は削りまくって整形の日々。まだ機首回りのシルエットは固まっていない。
推進器見直し
推進器中空原型 08.7.8 tue 1週間以上乾燥させたファンド粘土は粘りも充分
 中空用の推進器原型。両面キャスト取りして整形し、二次原型に持っていく。手間かかるが他にいい手が浮かばないので手を動かすしかない。
次の工程は整形後に掲載予定。ごゆるりと待たれよ。アップする余裕はもうないかもしんないけど……(2008.6.24記 7.8追記)
時かけ4コマ  タイトルは思慮にかける少女でどうか?(言ってる事はホントだけど)。どうして作れたかといえば“他にすることがなかった”というのが真相に近い。一般参加であっても有明に行くことしか考えてなかったし……
 果たして21世紀版のにわとりは誕生したのか。含む所もないのでザッと紹介し、今回の挑戦の顛末をご覧いただこうと思う。
機体原型
機体 08.7.17 thu
 仮組の際、機体後部のフィンはラフ絵のままだと前からのシルエットがうるさくなったので写真のようなでっぱり形状に変更。お腹の出っぱりとラインを揃えていくうちに気持ちのいいカーブが出来たと自負している。
 反面押しが弱くなったので製品版では改修する予定。
離型剤落とし
ポリデント 08.7.23 wed
 ディスプレイモデル製作にあたり、話に聞くポリデントの離型剤落としをやってみる。1日つけて水洗い。塗装に支障はなかったので確かに効果がある。これは楽だ。
 ただ兵装ポッドは丸皿の底にくっついていたためか、若干塗装のノリが悪かった。食器洗い機みたいに立ててやらなきゃだめだろう。
パーツ一覧
パーツ一覧 08.7.24 thu 写真は原型でなく複製パーツ
 たった8パーツ。とても作りやすいのは保証。初の中空パーツ、兵装ポッドと推進器は思いのほかうまくかみ合った。単純な形状の恩恵である。複製も楽にできるし自分にはサクサク組める簡単キットがちょうどいい。
ディスプレイスタンド
ディスプレイスタンド 08.7.24 thu これも複製パーツ
 このにわとりは可動パーツを仕込んでいるので手に持って眺めるがふさわしい。よってスタンドも機体をカップに差し込む方式で製作。
 アルミ棒の差込穴はグリフォンズ・ガーデンというディーラーさんが公開している「凧糸によるシリコーンゴム補強法」を使って一発抜き・連続複製したもの。記して感謝の意を。とても助かりました。
側面カット  こうして組み上がったのがこのシルエット。塗装に手間をかけなかったため、ディスプレイモデルにあるまじき仕上がりになった。ものぐさ中年デブオタの本領発揮という所か。
 かなり前傾姿勢になっているのはこの位置でないとスタンド上で安定しないから。完全なる設計ミスである。ガンド・ロワもプテラスピス号の時をそうだった。専用スタンドという割に意識を集中していないのがモロバレ。 上面カット  兵装ポッドの可動域は予想より狭くなった。ポリジョイントの自由度をうまく活かせなかったのはもったいない。前述したよう機体にもう少し突起があると面白かったにちがいない。現段階ではまったくイメージできないのでさらなるスケッチが必要である。 上面カット2  製作にあたって掲げた三要素のバランス。組んでみるとお腹のボリュームがちと足りなかった。兵装ポッドの厚みが1ミリ違うだけでも見映えが変わる。スケッチなら線一本引き直すのに手間は取らない。原型組む前の手間を惜しんでしまったか……
ガウォーク形態  これにてラブタコス初の中空パーツ使用&可動モデル製作記は終了。脳内のデータが二次元と三次元でまるで違った出力結果に終わるあたりが作って判る面白さ。なにより立体で表現出来たことが一番の収穫である。CG組んでグリグリ眺める事ができたとしても、カーブを指でなぞったり推進器の角度変えたりを手で行う楽しみは物質と触れる事でしか得られない(書いてて気付いたがジョイントパーツは共通規格なんで、軸径さえ合えばあんなメカやフィギュアの部位と換装できるんですな)。
 ともあれ本モデルは正式なお披露目果たしていないのが不憫でならない。ワンフェス再開のアナウンスを期待しつつ、正規出展版の製作にあたる事にしよう。(2008.8.24記)
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