動機がやっつけなので語ることは少ないが、意外な効用を得られたのは作る事へのご褒美であろう。
2014.3.3 mon - 7.1 tue 練習〜急遽実戦仕様
要となる顔の部分は本作向けではなく、三段空母製作の合間にフィギュア練習用としてちまちま作っていたものである。練習用と割り切って設定も設計もせず、指の動きにまかせたアドリブ仕様。最初にお面部分を作り、後頭部にかけて粘土を拡げていき頭部をしつらえた。そのまま首〜肩〜胴〜腕と中空のフィギュア原型を作り上げるつもりだった。出展向けではないのでバランスなどお構いなしのワンオフバージョン。
そんな訳でサザエとの比率も考慮していなかった。前回作ったフィギュアより等身が低くなったのもそのためである。途中でポーズ変更になるのもシルエットを固めていないまま作り続けた事による。
01 “よっこらしょ”と殻から出る所をイメージして首から下を盛る。(2014.6.8撮影)
02 足を引き延ばす。中空にする必要もないのでつまようじを芯にする。(2014.6.12撮影)
03 腕を引き伸ばし。粘土柔らかくしすぎてポーズ固定には手間取る。(2014.6.15撮影)
04 髪の毛直づけと顔の輪郭を削り込み。分割嫌って一発抜きを目指す。(2014.6.17撮影)
05 シルエットが気に食わず全バラにして組み換え。足なんて飾り状態に。(2014.6.21撮影)
06 作業効率悪いので首を抜いて髪の毛周りを盛り付け。(2014.6.22撮影)
最終形 クラック部分はあるが、表面をペーパーがけして完成段階。人体把握も造形力も隠しようがないのが原型の正直な所。恥ずかしいなら止めればいい。悔いが残るなら次を作ればそれですむ。作る毎に蓄積される手クセというのが作風になっていくのを期待する次第。(2014.7.2撮影)
正面 腕の長さが気になるも、比率は測らずに目測で決めた。短くするのは以外と気にならない…… と思う。
後方 ワキ部分のクラックは中空製作のなごり。強度が足りずにボロボロ崩れてしまった。複製は無垢流しなので意味が無い。
左側面 サザエとのバランスはフィギュア部分が若干大きい。選んだサザエも小ぶり。これは当方の財布事情による。
右側面 サザエが持つ螺旋の妙。これに拮抗しうる創造物を産み出すにはまだまだ途上。
ケガの功名
それでも産むが易しというべきか。最後まで作り上げた時にはきっちり設定と原型ベースを固めてから取りかかっていたフィギュア製作よりもストレスがなく、指がおもむくままにポーズをつけていく楽しさを味わう事ができた。左右対称とかに縛られない取り組みは発見に近い。次の製作にも受け継ぎたいフィギュア製作の指針を得たのが今回一番の収穫である。活かせるか否かは次作次第。版権モノが落ちた時に発動するオリジナルフィギュアの次なる挑戦をまたれよ。版権許諾得られなかったらそれはそれで哀しいものがあるが……
(2014.8.3記)