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レトロフューチャーカスタマイズ 2017.8.11 fri

昔、自動車が飛行機になりたかった時代があった。流線型のボディに翼を持った地上の乗り物たち…… モニター上でカタナのアッパースポイラーに落書きしていたら思いのほかフィットしたので実車にやってみる。
 全身アニメ由来かと思わせる現行バイクのスタイリングにゃ無用の長物であるが、近未来感を持ったまま進化の頂点を極めたカナタならもうひとつの未来を見せてくれるのではなかろうか。ロートルオタクの眼に性能向上は映っていない。
アップ
フロントビュー
手前味噌が最大限発酵できれば成功。シルエットを壊さずドレスアップできたと自画自賛のフィット感。 比較
オリジナル比較
オリジナルのスポイラーはカウルとタンクの下面ラインに沿う形でデザインされている。納得のプロデザイン。カスタマイズスポイラーは翼端を削りこんでやるとラインが揃っていい感じ。 正面
正面より
ハの字角度をもう少し拡げてやればより翼らしくなる。バージョン2の原型は取り付け角度を調整してるので、正面からの見栄えもよくなるだろう。 マウント部分
マウント部分
パーツ重量が気になるのは、フレームでなく皮の部分であるカウリングの厚みに強度を委ねるためである。手に持った時の150グラムは案外重い。面積が増える分、高速走行時のストレスを上げないための軽量化が果たされないと心配も消えてくれない。 下方ビュー
下方ビュー
『星雲仮面マシンマン』(1984)にはノーマルの750カタナが主人公の愛車として登場していた。設定ではバイクに似ている異星のビークル。時が戻るならこのパーツだけでも送ってあげたいものである。グッと特撮メカ度が上がって見えたことであろう(これぞ自惚れ)。
m e m o
中古パーツ
中古パーツ購入 3.980円
ヤフオクにてアッパースポイラーを入手、製作に必要なマウントパーツを取り出す。サビだらけはやむなし。少々値は張るもののポン付けできる魅力に妥協。スポイラーの素材は硬質ウレタンスポンジと思う(注型素材に近いものがない。これが最大の障害になる)。オリジナル重量は左右で異なり、平均すると70グラム弱。 フィン紙原型 紙原型組立 スチレンボード肉付け 石粉粘土肉付け
フィン原型製作
紙原型を作図し、ボール紙をレーザーカッターで切り出し。この部分が機械任せになってストレス貯まらずにすむのは大恩恵。組み上げた骨組みにスチロールパネルを貼って整形。表面は石粉粘土で囲みサンドペーパーで仕上げ。オリジナルより軽い。このまま使えたらベストなのだが…… シリコンゴム取り 芯パーツ ゴム流し ゴムパーツ完成 塗装
注型〜塗装
原型を囲い、ゴム型(1kg・2480円)を作成。マウントパーツに針金を追加装着し軽量化用のバルサ材でサンドイッチ。注型用ゴム(500g・4600円)を流し込み、ラバースプレー(2509円)で塗装。
パーツとしてはこれで完成だが完成重量が150g超え。振動対策でゴムをチョイスしたのが裏目に出てしまった。目標は完成重量100g切り。
全体図

実用前のまとめ

バイクを戦闘機に見立てるのは乗っている者にいくばくかの共感を持つ傾向だと思う。それでも翼がついていないのは、地上を走る乗り物として不要なのだろう(ダウンフォースを目的とするならカウリング形状で対処できるし)。それでもこの世に生まれ、実車にくっつけてみると収まりが良い。髪型イメチェンの如きルックの様変わりが小パーツの変更だけで可能となる。カチューシャやリボンのような部位として有効ではなかろうか。
 公道を走るには不安が消えないパーツ重量のため実走はあきらめる。現在は置き換える軽量素材の選択に足踏みしている段階。原型を調整し改修ゴム型まで準備完了。夏のデビューは過ぎてしまったが今年中のロールアウトは実行したい。バイクは人だけでなく夢想も乗せて走るのである。
(2017.9.17記)

追記:実走行バージョン

アップ 懸案の重量軽減と振動対策を兼ねたソフトスキンバージョン。走行一週間弱であるが塗装剥がれもなく形状を維持し続けている。 フィンアップ
プニプニのやわらか仕上げ
前回ゴムを使った部分を、スキン(表皮)のできるウレタンスポンジ「発泡ウレタン6」(2900円)に変更。マウントフレームの軽量化もあり、150gオーバーの試作品に比べ90g台まで軽くすることができた(純正パーツは70g弱)。
ゴムのように表面をフラットに仕上げらなかったのが残念であるが、パーツ破損時の二次被害リスクも抑えられると思えば妥協できる範囲。湿気や風、太陽の紫外線など劣化要素がいっぱいの屋外使用を維持できるのはラバースプレーの耐久度次第。 比較
正面より
ハの字角度をもう少し拡げてやればより翼らしくなる。バージョン2の原型は取り付け角度を調整してるので、正面からの見栄えもよくなるだろう。 マウント部分
マウント比較
原型を修正し、ボルトのマウント角度を変更してハの字を拡げる。モビルスーツの脚部作例のように見た目が動的になり今回の調整でいちばんうまく行った部分。
m e m o
マウントベースアップ 注型アップ 断面アップ
フィンパーツ再注型
原型は流用、カウルとの設置角度のみ修正。マウントフレーム部分の樹脂はレジンキャストをケミカルウッドタイプ+粉末ガラス中空球体に変更。それでも鉄とアルミくらいの重量差は実現できず。肉抜きと薄くする事で49gまで削り込み、残りのスペースをウレタンスポンジで包み込む事で対応。
発泡速度と発泡率が掴みづらく、3度目の注型でおおむね全体をカバー。現状手に入る注型剤で軽さと柔軟性と表皮の平滑性を求めるならこれが一番理想に近い。
全体図

実用化のまとめ

これにてカスタムパーツ製作篇は終了。3万弱のコストで脳内パーツを立体化できれば上々。この部位は中空パーツや軽素材の削り出しなど、思い立った人それぞれのアプローチで攻められよう。手を動かせば自己満足への道はそれほど遠くないのだ。
(2017.10.14記)
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