承 前
「キャラホビ」も「ワンフェス」も終わった後の製作報告というのはとんだ浦島太郎ぶりだが、製作に追われた炎天下の日々とお披露目である「ワンフェス」当日のハイテンションぶり、その後訪れた無気力状態を考えると、まさにオタクの夏だった事も事実である。“落ち込んだりもしたけれどワタシは結果オーライ”だったのは幸いだった……
2004.6.13 sun〜6.17 thu
足部分のパーツを作り直しキャストで複製。これでグラス原型の改修は完了。その後、足の底に版権表示の樹脂板埋めるスペースを作成して貼り込み。これでグッと製品っぽくなる。フォントの神通力。日記見返したらこれ以降はガンド・ロワの製作にシフトして、次の作業は翌月になっていた。一気にツメていかないから、結果に響いたのだ。
2004.7.21 wed /8.1 sun
型取り前の表面磨き。なんと7月はこれだけ。ガンド・ロワと平行製作とはいえ、これはぐうたらしすぎである。それにしても暑い夏だった。2004.8.1 sun〜8.8 sun
ようやくシリコーン型の作成開始。版権表示のある脚の接地部分だけ型を作り、原型にくっつけたままポリプロピレン製の植木鉢に入れシリコーンを流し円盤状の底型を作る(この作業中、不用心で柄の部分をポキっと折ってしまう)。次にグラスの高さまで透明シリコーンを流し込む…… が、全然足りない。通販で頼んだ通常のシリコーンゴムを足してツートンカラーの型になる(中1日で注文のシリコーンゴムが届く世の中はありがたい)。最後にグラスの内側部分の型取り。ここが一番の難所で、1回目は逆テーパーが抜けず途中でブチ切ってしまう。(原型もキズつけて二重ショック)そこで、厚みを薄くしたおしゃぶり状の型にしてみる。なんとか抜ける。が、強度不足の部分が裂け連続使用に耐えきれない。厚みを増やし、連続使用で“キュポ”っと抜ける塩梅までもっていけたのは翌週の事になった。
2004.8.9 mon
手探りのシリコーン型に透明エポキシ樹脂を流し込み、硬化後取りだした人類史上初のガス生命体グラス透明バージョン。タダのトゲ付きブランデーグラスじゃねえか……型の合いが悪く、樹脂が外へ漏れてしまったためである。それでも予想に沿った仕上がりは満足のいくものであったし、一体成型にしてよかったという気持ちが大きかった。
人体実験として撮影で注いだ炭酸グレープ飲んで気分が悪くなる。洗剤で洗った程度では離型剤は落ちる訳がない。ラッカースプレーで最終コーティングもするし、やはり飲用不可、ディスプレイ専用だ。
ゴム型はもったいないのでそのまま使用する事にする。漏れ対策として引越用梱包テープをぐるぐる巻きにし、すき間からキャストが逃げ出さないようにした。ブランデーグラスも型に戻し、不足部分を再注型。硬化に24時間かかるのと、バリ取り・研磨・透明塗料によるコーティング(コレをしないと透明度が上がらないのは、遊星ランプの時に学習。クリア塗料の研ぎ出しとゆー技法があるそうだが、そこまで手を入れる事はできなかった)
合計8個抜いてタイムオーバーとなる。申請10個にはおよばず取りかかりの遅さが結果となって現れた。
今回作ったシリコーン型だと、グラス上部の空気が逃げにくい構造だっため、気泡埋めるために樹脂を補修注型し、それでまた1日手をつけられないミスが生じた。バキバキに折れた原型はエポキシ樹脂で接着し、次回の型取りにも使うべく待機中。シリコーン型の精度や分割の仕方など課題は一杯あるにせよ、初志貫徹。4年の時をへて二次元のスケッチを立体化する事に成功である。
2004.8.27 fri
塗装済み完成品。けっこうガラスっぽい質感が出てくれたので満足。手がけて思うのは、このグラスにおけるオリジナリティの強さ。ガミラス星という異文化のビジュアルを端的に示す松本零士デザインの魅力この真価が発揮されるのはワンフェス会場よりむしろガラス工芸のギャラリーだとか、雑貨屋の店頭、飲み屋のカウンターがふさわしいと思う。いつの日かクリスタル製のグラスを作る勇者が現れる事を願ってやまない。使えるグラスの登場を持って、このアイテムは万人向けの一般品になると確信する。一見無意味に見えるアンバランスなトゲが、実は持ちごたえがあるとゆーか、手に持った時におさまりがいいって事を知ってしまったから……
星の寿命が示すほどに、ガミラス星の文化は深く長いものがあるのだ。 (2004.10.25記)