
一年で一番テンションが上がる日。それまでに仕込んで来たすべての成果をさらけ出し、出来不出来、好き嫌いのフィルターを通して他者の視線が注がれる一期一会、真っ向勝負の祭典。モチベーションをぼとぼと落としまくっての参加に関係なく、ビッグサイトの空は圧倒的な熱量をポット出アマディーラーの頭上へ注ぎ続けていた。ひどく熱い!(いやぁ〜暑かった)
作業台と化すベッド
前日最後の仕込みをビジネスホテルで行う。零時回って残るはガンド・ロワの箱詰めのみ。シリコーン型から外したままの状態で運んできたパーツを切り出し、選り分け箱に入れてい……間に合わなかった。時間的余裕がなかった訳ではない。すべては自分の気の緩みから来た事は重々承知。克服できなかったのは都会の誘惑。けばいネオンサインの妖しげな輝き、生ホッピーという田舎にはない都会な飲み物の誘惑……お上りさんの弱点をさらけ出しすぎ……地方参加者の皆さんはどうなのであろう、決戦前夜は?(出発前に終えていれば済むことだが正解。いつも最後のふんばりが足りない)
遊び人脂肪物体
ふんばりが足りないのは体も同じで、回を重ねる事に持ち込む量が多くなり、マンパワーですべての荷物を持参するのはしんどくなってきた。おそらく時間的余裕があって宅急便が使えても直接持ち込みたいというこだわりが続く内はカート転がしていくのだろう。行動原理は単純そのもの。今回はタクシー乗り付けだったがホテルからビッグサイト、会場内の自ブースまでの距離は、日常から逸脱し、アマチュアディーラー「ラブタコス」主宰、ぷうぺらさんに変身した中年オヤジの花道なのである(そうだったのかと書く事で判る)。
そんなこんなで助っ人のDUNさんと合流。通常の2倍のスピードで設営が進み、午前10時を回って会場のアナウンス、拍手とディーラーダッシュの群体を目撃しつつ「ラブタコス」3度目の戦いが幕を開けた。
ラブタコス開店
ブース全景
まだ段ボール箱をディスプレイスタンドにしているチープぶり
作るのに精一杯で卓上演出にはほど遠い
テーブルに布を敷く気配りにも事欠く突貫配置
開場寸前の一枚。事前の設営プランとアイテム数、ポップ類共に過去最大の物量を投入したおかげでカラフルな卓上が実現できたと思う。しかも開場前に準備できたのが快挙。すべてはガンド・ロワやロボ子のディスプレイモデル組み立て、しおりの切り込み入れから折りまでDUNさんにやってもらったおかげ。(食事に出たり会場回る事もできた)
同人世界じゃ壁際級サークルの代表にしおり折らせるたぁ、パプア補給艦の艦長を沖田十三にやらせるような所業。今回の立て役者は間違いなく彼である。どうもありがとうございます。
ポカその1
前述の通り、ガンド・ロワの箱詰めが間に合わず、ガンド・ロワくださいと訪れた人には左記の引換券を渡して昼すぎに来てもらった。(レジ袋も忘れたんだった)しかもすべての人が製作上発生した平面パーツの反りを了解してた上で購入されたのである。(“夏場じゃよくある事”などというベテランな方のなぐさめまでいただいく)度量の大きい人達に感謝。
ポカその2
藤本窯時代からチェックしているという某ディーラーの方から“遊星ランプください”と言われ、“どこでそんな(デマ)情報を?”と訊いたらカタログに載ってるという。ディーラーカットを確認すると…… なんてこった!間違えてる!!お前のようなバカはいらぬなり!!!平謝りでお詫びする(遊星ランプだけゲットしそこなったというので楽しみにしていたというから申し訳ないことしきり)。仕込み当初からボケまくっていた証明。どうもすみませんでした。
チノタコス
2人参加(参加申請上は変なのだが、システム上は受理という妙な隙間がある)のため、会場を回る時間が取れた。朝飯食ってなかったので屋台ブースに行くとチャイナさんがタコスを売っている。ワンフェスでタコスとコロナビールが飲めるとは!
しかもチャイナさんが……すばらしい取り合わせに拍手。「オフィス土屋」すげえぜ。
またこのタコスがうまくて感激。ミートはニワトリっぽかったが、パリっと揚がったタコシェルに程良くジューシーな野菜とソースがからみ、殿堂入りタコスにもっとも近いスタイルと味に迫ったもの。当然おかわりしてその味を噛みしめる。次回も出店してもらいたい。つくづく勝負服のチャイナ忘れてきた事が悔やまれる。
会場回る機会を得たものの、自ブースの事が気になって身の入らない見学になった。「八広ディーシー」のブースへ行けた事以外は、藤本窯時代、パッケージや広報部分を評価してもらったディーラーの方が手がけたタカラのボトムズブースにあるスコープドッグを観賞。企業ブース内で走り回っていた箱船のガードメカみたいな四つ足ビークル(バッテリー駆動)が面白かったくらいで、後に知った1mヤマトもペパクラのイデオンも観ずに終わる。
ディーラー参加の醍醐味をブースに訪れた人との対話に置いているうちは余裕が生まれないようである。売り子参加のメリットは存外に大きかった。
ふたつでじゅうぶんですよ
今回最大のモチベーションを傾けたのが新作のコスモゼロ。版権元には完成品提出だったので、次回の事も考えブース用モデルも同時製作。計器板ブロックは透明樹脂のため、どうせならと発光ダイオード埋め込みバージョンを作り、配線は間に合わなかったので開催時間中に作業し、無事点灯させる事ができた。(電源ユニットに使ったのは遊星ランプの下半分という皮肉)デカール類の貼り込みと塗装補修に必要な水を、運悪く当ブースへ再訪されたガンプ氏(コスモゼロ購入してもらった)に汲んできてもらい、二度とやらないであろう完成品ダブル展示を実現する事ができた。この場もかりて感謝します。
とにかく2機同時製作はしんどい。原型というのは文字通り原型であり、パーツの組みと塗装という完成品のクオリティはクルマにおけるチューナー=模型におけるモデラーの領分に負うからである。
しかも正味3日で組んだ一発組み&塗りの急造品。ガンド・ロワ同様つたなさ大爆発。最終段階までフォローできる技量はそう簡単に習得できるものではない。
願わくば原型師の引き出せないラブタコス版コスモゼロの真の姿(チューンド・カーみたいな)を、購入者の方に実現してもらいたいものである。
キットへの評価は好評で、三面図と違うといった声は聞かれなかった。特にイベント終盤に訪れた現用機に造詣のある方とは話が弾み、半可通な知識で展開しているコスモゼロ=F104説にも理解を示していただく。
F104(確か“マルヨン”と呼んでいたと思う。その段階で造詣に差)が運用されていた基地に並ぶコスモゼロのビジョンまで浮かべてくれたのは実にドキドキさせてもらった。閉会の拍手が鳴るまで喋っていたので我を忘れていたやしれん。これだけでも作った甲斐があろうというもの。
充実した気分で終えられたのは、ワンフェスという場の力に他ならない。ハレの場は確かに日常の澱を爆散してくれたのである。今年も御輿を担ぐ事ができたのだ。(栖)
幸運な事に個人ディラーで参加してからこっち、退屈した事がない。1時間で硬化する透明樹脂の情報をもらったりアイテムのチョイスがウケの理由という指摘、萌えなしエロなしのオリキャラフィギュアだって気に入ってくれる人がいる……何も得ず終わることはまずありえない。トータル20個にも及ばない頒布数の弱小アマディーラーがコスト度外視で参加する理由はまぁ、そこにある。(2005.9.12記)