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前日設営時(7月25日)のAブロック  08年夏のWFはペナルティで一般参加。当日起きたエレベーター事故による09年冬の開催中止によって会場が幕張メッセへと変更。当ディーラーにとってもリスタートの意味合いを持つ09年夏のWF参戦。
 羽田空港上京派にとっては幕張まで高速バス1本で済むため、会場までのアクセスはかえって楽になった(馬鹿でかいカート引きずる距離が大幅減)。溶けきった記憶をメモから再生する世界最遅のWF2009[夏]の覚え書きをご賞味あれ。
入場〜閉場
Aホール入口前 Aホール入口前 幕張メッセの全容が判ってないのでどういう列並びになってたのか不明
 6時半にホテルを出て7時前にメッセ着。参加史上最速の入場。早起きすればいいだけの話か。今回も岩手のコスモゼロマスター氏にディスプレイのアシストをしてもらう。感謝(成人ゾーンより後の場内写真は氏の撮影。重ねて感謝)。
 開場時間の10時が近づき、専務の場内アナウンスが流れる。2回目のリスタート宣言がなされたようだが音が割れまくってほとんど聞き取れなかった。しょっぱなからこれかという幸先の悪さに加え、10時のスタートコール〜拍手といった流れもなく入場が始まりなし崩しスタートになる。この段取りの悪さは会場変わったことによる伝達系統のミスなのかと思う。次回はどうか?
卓上 今回の布陣 いつの間にやら松本零士ブース。思春期時の刷り込みは強力無比
 入場が始まってしまうと後はいつものWFという空気。11時前にはメーターと棍棒、正午前にはガミラス本星も完売。
 いつも立ち寄ってくれるプロモデラー氏や出展品を挟んで松本トークを交わす時間を過ごすと“ワレ戦線ニ復帰セリ”な実感がともなってくる。
 ブース番号A12—16。正面がコスプレ受付ブース。昼前にはレイヤーさんの行列ができたりして眼福(おしなべてカート転がしているのは着替え預ける場所がなかったのだろう)。コスプレならブルマーもありか。モデルさんかと思うスタイルと美貌のレイヤー嬢が、メイクとディレクターみたいな人から念入りにKOS—MOSの姿に仕上げられてたのが印象的。プロなのか?
 ブース右には成人ゾーンが広がっている。出展・参加者ともに大人がメインのイベントに対して野暮な処置。混沌とした場内配置の方が賑わいに貢献すると思う側には柵分けの分別は抵抗がある。以前作った“にゅうにゅうちゃん”も出展リストに入れてたら間違いなく成人ブースに配置されてただろう。ワンダーなとんちでこの仕切いを無効化するアイデアの登場を期待する。
 さんざぱら喋ってもまだ14時40分。今回は終了時まで自ブースに貼り付いてあれやこれやと語りまくりテンションが落ちる事がなかった。“売るものなくなったら終わり”ではない。展示モードになっても卓にブツがあるかぎり会話が成立するのだ。この場所へ戻ってこれたのが09年夏最大の成果である。
 以降は印象に残った出来事の覚え書き。短い中にも歴史あり。
成人ブース設置の変
成人ブース
 幕張へ移ってからのゾーニング導入。造形の祭典においては「非実在青少年」(当時生まれてない名称)の方が、生肌で闊歩する実在レイヤー女性より危険度が上なのか?
 2019年7月追記:エロ造形を青少年から遠ざけるという考えはあるとしても。ブースにはそれを作った大人が座っている。ディーラーと未成年者が卓上で顔つき合わせるのが健全対応。イベントは人が接するライブなのだから。(追記終わり)
ガミラス本星覚え書き
惑星まんが
ガミラス本星 ガミラス本星(3D仕様) 3Dヨイショのご時世より前から立体を立体で撮り続けているコスモゼロマスター氏。会場の空気を残せる立体写真の効能は計り知れない。彼の撮影ストックはWFの貴重な記録である
 新作のガミラス本星。ただし予定した出展数には3個足りなかったので厳密にいえば暫定完売である。塗装もパーツの合いもやっつけ。あからさまな工作ミスを見なかったことにして持ち込んだのはひとえに当方の力不足。
 完売に感謝しつつ“この程度でもイケルのか?いっていいのか!?”という暗い愉悦が湧き上がったのは事実。当ディーラーは色物系と思われる節もあるので09年夏のWF土産として認識してもらっているなら納得。
 死ぬほど摺り合わせを行えば天井と柱がほぼ繋がった二重惑星も夢ではないだろう。だがそれは情熱が希釈していく当ディーラーには荷が重い。愛情とスキルを注げる真の原型師の登場を期待するものである。
 展示品を販売品と勘違いして買いそびれてしまった最後の方には申し訳なし(世間話してる間に他の方が最後の1個を買っていった)。本サイトで進行状況を知った方からは出展出来たことに対し“お疲れさま”の言葉をいただき恐縮。それだけでも費やした日々が報われる。記して感謝の意を。
松本式突起型棍棒覚え書き
松本式棍棒 松本式突起型棍棒 振らなければ判らないが振ると実用にはほど遠い重さを実感させるマラカス棍棒。買った方はどうされているのだろう?
 再販の松本式突起型棍棒。とはいえ1年半も経っている。年2回開催のイベントで欠席するとずいぶん古く感じてしまう。それでも前回買い逃したという女性がお求めになられたりして、『時かけ』でいえば“1年半待っててくれてありがとう”ものである。
 “これがあれば嫁と戦う事ができます”という妻帯者の方もおられた(戦闘行為に及べば強度的な問題で柄の部分から折れるので平和利用が一番。“包丁には勝てませんよ”と使用上の注意をひとくさり)。
 使えるガレキをルーツに持つ当ディーラーでは最後の実用ガレキ。あくまで形だけではあるがちょっとした楽しみに使ってもらえば嬉しい限りである。
松本メーター覚え書き
松本メーター 松本メーター 出展最後ということで緑の文字盤バージョンに黒バージョンをオマケにつけた。差し替えるもよし何かの部分にはめ込んでもよし。実用化の難しい凹バージョンの検討パーツとして活用していただけたら言うことはない
 再々販の松本メーター。製作に興味を持たれたディーラーの方には見本の文字盤を進呈。活版印刷の素材流用でガレキが作れること。これが広がれば造形マテリアルの一つとして印刷業界にも需要が生まれるのではと思う。
 もっともレーザー彫刻機があると原型〜複製といった行程を省いて素材へダイレクトにモールドを彫り込めるので、家庭用がリリースされれば表現の幅はグッと広がるだろう。オンデマンドガレキも夢ではない。
 立ち寄られた方から品川プリンスホテルの水族館に松本メーターが堪能できるブースがあるとの情報をいただく。松本メーターのデフォルトは穿たれた穴の底で光る凹バージョン。それが再現してあるなら一見の価値有り。
 住宅や家電メーカーのカタログに松本様式のデザイン製品がない。21世紀が20世紀末の横滑りなのはきっとそーゆー事だ。ワクワクする未来予想図はすでにあるというのに。
ガンド・ロワ覚え書き
ガンド・ロワマスター 発光している “過粒子砲そのものじゃないか(すみません)”みたくなってるのは神の背光というやつである
 出展はしていないが今回の参加で一番感じたのはガンド・ロワのご縁。まず、直接お礼を言いたいと思ってたペパクラ版ガンド・ロワを組み上げたガンド・ロワマスター、K氏にお立ち寄りいただいた。
 突貫作業でもモールド仕上げるだけで人生の3ヶ月(ラブタコス基準)を奪う凶悪モデルへ果敢に挑戦、一度は放置するも再開し、のべ1年がかりで完成させたという。劇版ガンダムを踏み台にしてイデオンを完結させた製作スタッフもかくやという、作品への熱意なくしては出来ない偉業。アマチュアガレージキットディーラーの出展物にも神が宿るのである。これ以上の栄誉がどこにあろうか。
 地球上、いやこの宇宙には全幅1mのガンド・ロワが3基存在する。ただし1基はヘタレ塗装の痛恨バージョン、白無垢の1基は飾る場所がなくバラしたまま。完成形を知らしめるのはK氏のガンド・ロワだけである。
 感謝の意としてレジンキャスト版のガンド・ロワを進呈。WFのワンダーは飾り文句ではない。ディーラー参加はワンダーと出会うチャンネルを開く。足を運びこの場所にいる事。望めば100%叶うもんじゃないが、縁を呼ぶのに一番必要な行動である。
樹脂板覚え書き
ホビージャパン ホビージャパン1983年4月号 “マニアのためのディテールアップ”としてシャドーモービルのキャタピラ原型に光感光樹脂を用いた作例が紹介されている。本邦初の画期的かつ実用的な手法紹介なのだが文中の“ナウい!!光製版”や“イマい読者の方々”という80年代フレーズが当時若者だった中年世代にはイタい、痛すぎる……(きっと都会では標準語だったんだろう)
 閉会間際、05年冬のWFでレジンキャスト版ガンド・ロワの光感光樹脂工法に興味をもたれた方が訪れ、その時の会話に出てきた世界初の光感光樹脂作例が載った「ホビージャパン」をいただく。わざわざ古本を入手して持ってきてもらったのだから恐縮しきり。
 現在製作中のモデルも持参されていて、工作精度が当方とは段違い。光感光樹脂によるモールド表現の必要性がよく判る。プラン通りの仕様だと完成がいつになるのか見当もつかない。柱が天井に届いていないガミラス本星を出展するような激甘ディーラーとは志が違う。いずれ成就の日は訪れるだろう。こちらの作例が少しでも役立てたら嬉しい限り。
 個人で金型起こして出展されたディーラーもいると伺った。極北というか規格外というか度を超えたアプローチで立体化を行う人がいる。雑誌やネット越しに覗くよか“目の当たりにする”快感を得た方が五感に深く突き刺さる。2000円ポッキリでそれが体験できるなら安いもんだ(交通費・宿泊費を気にするヤツは置かれたポジションから移動するためのリスクとして受け入れられん事を。リスクのない行為は体験を産まない)。
ブース全景 ブース全景 16時を回っていたと思う。戦闘服のチャイナ上衣はボロボロになってきた  これにて09年夏のWF日記は終了。幕張メッセの広さを実感できたのは次のWF参加の時だった。イベント中はテンションをあげまくり、ホテルに戻ってはドロドロに疲れて眠った1日。満腹満腹。こうして復帰した当ディーラーではあるが、2010年冬には噂されていた巨大戦艦程度に驚く事態が起きる。油断はいつでも隙をうかがって罠を仕掛けているのだった。ようやく2010年の記述へ突入する次回の更新を待たれよ。もうすぐ立夏だが……
(2010.5.3記)
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