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 作ってはみたものの08年夏のWF参加に失敗、09年冬はWF自体が中止、09年夏はなぜか出展する意欲がなく、2010年冬にようやく改修版を出展したオリジナルアイテム「M−C−KIN(えむちきん)」。自分の資質がモロバレになろうと手をつけてしまうオリジナルの誘惑。間延びしつつも組み上げたホワイトボディのにわとり誕生記。
スケッチ
2009.10.17 sat〜
ラフ前編  漫画家やアニメ演出家はファミレスや喫茶店で仕事しているという。そういうものかと思い、当方は電車の中でスケッチをする。『サマーウォーズ』観るには他県へ出向く必要があり、最低2時間は時間をつぶせる格好の場所。
 プロトタイプの機体形状を寸詰まり気味にまとめてしまったので、シルエットを再検討。スッとラインがつながるよう描きすすめる。が、どうもおさまりが悪い。
2009.11.1 sun
ラフ後編  どうしてか判らないまま電車内スケッチは続き、月も変わった頃ようやく解法にたどりつく。背中の円盤ポッドを後ろへずらす。これだけでよかった。機体形状が変わるならパーツのレイアウトも変わる。ごく当たり前の事に気づかず形状ばかりに頭が寄っていた。気が付けばなんて事はないが描き続けなければ判らなかった。
 とっかかりを掴む瞬間はテンション上がる時。これが訪れるとやっててよかったと思う。電車だけでなく家でもスケッチやってればもっと早く訪れたかもしれないが……ともあれこれで立体作業へ移行。映画は観る以外にも御利益がある。
仮定スケッチ
煩悩スケッチ  車中スケッチから自宅スケッチに移る。曲線といえば女性のライン。曲線主体の機体を考えるのに効果あるのではと裸体と機体を同時に描いていく。目標はパーツ同士のシルエットがきれいにつながる事。
 ただフィギュアも作れれば良しとゆー下心までこもっているのは明らかである。
 モザイクは一応かけてるだけで描いてない描いてない
2009.12.20 sun
作図  パソで切り出し図面を引く。もうスケッチと全然違う。側面のラインをうまくつなげられず。後は手の感覚にまかせる事にして二面図で終了。
 左右の張り出しは吹き抜けの予定だった。一体もので左右対称にカーブのかかった穴を開けるのは無理。自分の技量を考えない行為はあっけなく破綻。
 腰のくびれ具合とか背中の反り具合とか……仮定スケッチはこのくらいの反映度。はるか上空の高みで世界で一番美しい宇宙船「リプミラ号(マップス)」が舞っている。(そんな大望を)
2009.12.22 tue
切り出し紙原型  2ミリのイラストボードを切り出した一次原型用紙パーツ。側面パーツのカーブはかなりなだらかに。2ミリのイラストボードは2回以上刃を入れないと切り抜けないのが面倒。それでも最初の頃より気にならなくなった
骨 格
紙パーツ原型  平面やバラパーツだとピンと来なくても、主線を組み合わせた骨組みはスマートでくびれ具合もお気に入り。プロトタイプよりのびのび。作ってる人間の体型とは真逆だ。
肉盛り
肉盛り  スチレンボードを貼り込んでサンドペーパーでカーブを出していく。サクサク削れるので作業は早い。2日後にモデリングペースト塗って表面を固める。翌日二度塗り。  作業部屋はスチレンボードの削り粉が散ってジャリジャリ。
一次原型完成
一次原型完成  表面はモデリングペーストでコーティング。スチレンボードの目を埋めるのが主目的なのであまりそぐわない材料。ペパクラ版ガンド・ロワの時買い込みすぎたので、こうして消費しているのだった。
これをベースにゴム型取ってレジンキャストを流し二次原型を取り出す。ゴム型作るとき離型剤(ミスターカラー)塗り忘れて一体化させてしまった。しばらくやってないとすぐ忘れてしまう。1個取り出せればいいので引きちぎって注型。
原型比較
比較図  一次原型と複製したレジンキャストを磨いた二次原型。元旦なのに造形やってるのは翌日から仕事という馬鹿忙しい時期だった。仕事放り出して2月のWF参加した遠因がこんなところに。その報いも当然受けた。まさにあざなえる縄のごとし。
原型完成
原型完成  メンテナンスハッチも接合線もないが完成。フィギュアのボディ作ってる感覚なので継ぎ目は最初から考えていない。スケッチ段階で入っているのは間が持たないため。エッジがなまくらでシャキっとしてないのは作り手の限界。
 これを原型に複製ゴム型作るが分割位置間違えて、はずしにくいやら流れにくいやら。少数複製なのでそのまま使う。
仮組み
仮組み 推進器と機体部分はボールジョイント結合。へたれることなく支持するので一安心。2010年2月2日(火)の撮影。これをトレスしてインストの説明カットを起こす。当然ブーンブーンとやってみた。
完 成
機体アップ
機体アップ つるんつるん。ディテールないので寄っても迫力はない。
下方パース
下方パース 下面もディテールないのでつるりん。
後方カット
後方カット 一番好きなポジション。このスレンダーぶりはやはり、作者の願望によるものか。
前方パース
前方パース 横の広がりがないのでこの位置からも迫力不足
 これにてオリジナルアイテム製作記は終了。足りない部分は多々ある。最も足らないのは原作が存在しないって事。でっちあげ原作コミックは黒歴史扱いにしてしまったので想像の余地を広げるとっかかりがない。とっかかりを創造する事が本機にとってスタイルより重要な作業だと思う。
 逃げ口上とも取れる物言いだが共感できる情報がないと興味は湧かないものだ。地に足のついたアイテムにはまず地面が必要である。
 次回はようやくリアルタイムの製作記になる……はず。はずがハジにならぬ明日の約束を待たれよ。
(2010.5.22記)
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