ラブタコス戦記110724 ‹‹ 海洋性フィギュア製作篇 ›› ラブタコス戦記130210 ダウンアイコン
立体写真 サイズ検討用の紙差しモデル。これが完成形ならどれだけ楽だか……楽しいと楽はどこまでも反比例
 版権申請分がすべて撃沈されてしまい、急遽繰り上げで作る事にしたのはまたオリジナルフィギュア。成人エリア参加なので当然といえば当然やしれん。モチベーション低めなのでサクッと進めてブース卓をにぎやかせれば幸いである。
 数年前、長崎県平戸市の海浜イベントから持ち帰ったサザエの殻がずっと机にあって“これに女体と組み合わせたモデルが作れないかのぅ”と心の棚にメモ書きを置いていたのが始まり。具体化を考えずほっといた対象に火をつけるのは存外に難しく、せっかく得た“毎日が日曜日(に、してもいい状態)”を浪費する結果に……orz さてどうなるか?
原型までのあらすじ 2011.12.3 sat〜12.12 mon
ラフ画  つらつら描いて構図探し。上半身とサザエのつながりが腑に落ちないまま進める。サザエの形状を把握しなままつなげているので、人魚のミイラみたいなアンバランス結合になってしまう。
 女体部分が大きすぎるなぁと思い、それよりもポージングがしっくりこないのが悩みの本丸。市県民税の申告計算みたく手間がかかってしょっぱなから行き詰まり感。
 この時点から今に至るまでサザエの方はどうやって複製パーツにしたものか問題を先送り中。本モデルはディスプレイベースとなるサザエの複製如何が互いを引き立てるであろう。
 サザエというトゲアイテムはガス生命体グラスや松本式突起型棍棒のゴム型分割が応用できるかという想定まではできるものの、螺旋という階段状のねじれがあるので分割線を考えるとゴチャゴチャになってしまうのが現状。
ラフ画2
サザエニクス的転回 2011.12.12 mon
倒立発見カット  サザエをいろんな角度からスケッチしていた時、棘が脚の役目をはたして口の部分が上を向くポジションを見つける。そこに女体を乗せてみると寝そべるよりも自由度がある。無理矢理腰を曲げなくても上半身をさらす事ができる。ようやく落ち着き先が見えた。
 自分なりの解答や解釈へたどり着ければオリジナルガレキは半分成功と言えるのではないか。残るは立体化への行程。
埋め草
ポーズスケッチ
手持ちぶさた解消 2011.12.17 sat
箸持ち発見  基本構成は固まり、なおもスケッチを続けていくと手のやり場に困ってきた。ここは連想ゲーム、サザエなら刺身だろうというイージーな流れで両手をふさぐ。
 描いてるうちにショートカットになってしまった。嗜好もあるが“劇場版とテレビシリーズは手間が違うのだよ”という無意識の逃避行動が働いているのやしれん。
わさび箱は作る予定なし……でも紙でいいんだよなぁこれは。興味のリミットが限界点を超えるかの問題として留めておこう。
箸持ちスケッチ
前へ前へと暦は進む
締めカット  デッサン置いてきぼりのまま進めた原型着手までの変遷は終了。サザエの螺旋っぷり理解するのが難しくてたまらない。これに立体変換の誤差が生まれるのは経験済み。望むべくはブレの方向が偶然の産物にたどり着くのを祈るのみ。原作と似てなくてもアニメ化されたキャラに魅力が産まれるように……はいかないか。それはアニメーターの実力だ。
 「参加毎に新作」の看板だけはアマチュアディーラー活動の矜持として全うしたい。年2回の出展。仕込み期間は十分にあるのだから。
 本来オリジナル指向のディーラーではないのはこれまでの製作記をご覧いただければおわかりであろう。漫画やアニメのパロディ描くのと版権モデルを作る行為は等価。世に放たれた作品を自分がどう受け止めて日々の糧にしたかを表明する窓口が異なるだけである。
 いい歳した大人が思いのままに作ったものを持ち寄ってファン同士が集う場所——企業ブースが増えて完成品モデルが当たり前になっても自分のワンフェス観は参加した最初の頃とブレがない。
 次は実製作篇。毎度のごとくワンフェス終了後に更新予定。真白きスケジュールの地平へかけ進む公私混合活動の顛末を待たれよ。
(2012.1.4記)
 ワンフェス参加前に襲いかかった突然の腹痛。緊急入院の憂き目にあい、2012年冬の参加はキャンセルしてしまった。
 退院したのが3月12日。再手術の可能性があるため夏の参加も見送る。体力・気力ともリハビリ中で帰宅してから本フィギュアはいじっていない。
 心のフライホイールが回るのはまだ先になるので現在までの状況をまとめ、完結までのお茶濁しとしたい(ガレージキットにおける完結とは複製抜いてパッケージングし終わるまでが1サイクルだと思うので)。
 半チクな製作記であるが、しばしおつきあいのほどを。

写真はワンダーフェスティバル2012[冬]にて中年デブオタディーラー不在のテーブルに置かれたお詫びポップ。某アマチュアディーラーの方が自発的に作成し、設置していただいた。こんな心配りに浴する事ができるのもディーラー参加なればこそ。どうもありがとうございます。
カット01 1/2 mon 盛付ベース  作り方は前回の「半種ちゃん」と同様、粘土版に原図を貼って1〜2方向の誤差を少なくする試み。粘土板切り出す時に薬指切ったのが今年最初のうっかり。後に腹の中を切られるとは思いもしなかった。
カット02 1/4 wed〜1/6 fri 肉盛り  ボディ・腕・頭に粘土盛って大まかなシルエットを起こす。後半サザエの表面整形と髪の毛の粘土盛り行う。髪の毛シックリこなかったので作り直し。杓子定規な作り方なので躍動感の表現に不向き。
カット03 1/7 sat パーツ接続  銅線刺して基本パーツのバランス確認。手間取ったのが刺身皿のカーブ出し。手に置いてみると大きすぎ、直径縮めて曲線だすのに時間を費やす。手元に目の焦点合わないのが中年の悩み。
カット04  複製取り易いようにサザエの隙間を埋める。ゴム型の分割線はまだモヤモヤして特定できず。
完成原型
1/19 thu ほぼ完成
 チョコチョコと修正を加え、盛っては削りを繰り返した状態。まだ箸は作っていない。二次元から三次元へのコンバート能力は作るほどに誤差はなくなる。
 世のモデラー諸氏における成長曲線に遠く及ばないものの、昨日より今日の自分が変わっているのを実感できるのが継続の恩恵。可愛く妖しく美しくという表現の高みはずっと先にあっても……
カット07 1/22 sun ゴム型埋め直前  m手つかずだった箸削り出して全パーツ完成。実質2週間ほどの作業。サフェーサー塗ってゴム型取りに備える。前作でやった事の反復のため特につまずきはなかった。その分劇的な変化というのが見当たらない。
カット08  版権キャラに興味を持たない限り、これからもフィギュアはすっぽんぽんモード。次のモチーフが見つかればの話だが……ガレキ製作よりイベント参加重視の人間にはあくなき創造欲というやつがいつも不足している。
カット09
カット10
1/24 tue 世界の終わりの1日
ゴム型  1月23日から24日にかけてパーツをシリコーンゴムの海に沈めていく。24日にはワンフェス最終案内が届きイベント参加の気運も高まった矢先、難物のサザエ用分割ゴム型を作っている途中で内蔵から緊急指令7・108・10(意味忘れた)が発せられ(実際は動けないほど痛かった)約50日の入院を経て現在にいたる。
 これにて海洋性フィギュア製作の経過報告は終了。ペナルティでも主催者側の都合でも資金不足でもない理由のキャンセルはかなり意気消沈の出来事だった。開店休業の看板を引っ込める日は未定。されども闇の中で心を揺さぶり覚醒する復活の時を待たれよ。ひとつ気長に……
(2012.3.21記)
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