ワンフェス行くなら出展物を用意せねば意味もない…… 作り続ける事が一番の挑戦やもしれん。
12.23 sun 2012 事の起こり
構想が浮かんだのは昨年冬。波動エンジンの原型削り真っ最中に描いた落書きで、ほぼイメージが固まったまま出てきた。島ガールという単語のビジュアル化とでもいおうか……おそらく前日に「すーぱーそに子の立体マグカップ」の画像を見て刺激を受けたのが引き金と思われる。マグカップになんら必要のない部位が増設されている面白さ。面白さの由来を説明できる論拠は持たないものの、組み合わせのアンバランスさあたりに鍵があるのかと脳が推理した模様。
3.10 sun 2013 スケッチ開始
島のシルエットとキャラのバランスを探す。対比の妙を狙って人工物を描き込み。すっぽんぽんな所をみると島の所在地は南洋らしい。3.14-3.17 thu - sun 2013 妄想スイッチ
物語的な背景のない立体化にも関わらず、港や神社や耕作地を描き加えていくとなにやらキャラとの関連めいたものが浮かび上がる。住民にこの娘は見えているのかいないのか? 灯台に住んでる人はどんな立ち位置にいるのか? 島の反対側にある分校は何人いるのか云々……そっち方面の作り込みも楽しいが人が住んでそうな島を立体に起こすのが主眼。世界づくりへの深入りは物語とのご縁にまかせるとして、200ミリ前後のスケールに表現できるかという課題の処方を考える事にしよう。
指先の表現力不足がネックになるのでキャラの作り込みは無駄っぽい。フィギュア製作へ移行の時改めて検討って事にする。
3.20-3.26 wed - tue 2013 島モデル製作開始
スケッチした島の原画をスキャンしPC上で高低差を検討。以前作った「浮遊大陸」製作のノウハウを参考に、紙とスチレンボード切り出して積み重ね。
以上が3月までの現状。従来のまとめてアップ方式はドライブ感が出ないので、これから同じコンテンツの更新は単体ページへ小まめに追加していく事にする。リズム感の悪い初老アマチュア最近リバウンド気味ディーラーのフリクションロス低減の試みを待たれよ。(2013.4.3記)
4.4-4.5 thu - fri 2013 荒削り
重ね終わったベースをザクザク削ってシルエット出し。スチレンボードは削りやすくて作業効率は良好。後の祭りだが2ミリ厚ほどのスチレンボードを入手できていれば曲線出しが容易だった。もう少し整形したらファンド粘土被せて本原型の製作に移行。樹木や建物の表現方法はどうすれば? と思案中。島といえば少しは知名度のある島々が近くにあるので参考にしよう。
4.6 sat 2013 デコレーション
重ね終わったベースをザクザク削ってシルエット出し。スチレンボードは削りやすくて作業効率は良好。後の祭りだが2ミリ厚ほどのスチレンボードを入手できていれば曲線出しが容易だった。モデリングペーストで段差や隙間を埋めてシルエット調整。ここで気づく。ゴム型取って粘土を内側に貼り付ければ表面積は増えない。ゴムのコストを考えてもサイズが大きくなる方が問題ではないかと……ペインティングナイフでペタペタやったら海面の波っぽいのが出来たしこの凹凸を使わない手はない。
島をぐるりと回しながら盛りつけしていくと存在しない海岸線の風景が頭の中で組み上がる。まるで國造りの神様のよう。2199年の地球やガミラス本星よりもリアリティがある。目鼻がついて楽しみが加速すれば嬉しい限り。
4.9-4.11 tue - thu 2013 ゴム型作成〜粘土塗り貼り
1次原型をシリコーンゴムで型取りして取り外し。ゴム節約で刻みシリコン大量投入したものの一缶1キロを使い切り、それでも足りずに島の頭頂部が一部ゴム型から抜け出てしまう貧乏仕様。そこは後加工する事にして粘土原型の作成開始。液状に溶かしたファンド粘土を塗り、その上から引き延ばした粘土膜を被せて密着させる。隙間に入った空気をつまようじ刺して抜く。あと数回重ねれば5ミリくらいの肉厚原型が完成予定。乾燥時間の長さを考えるとレジンキャスト流し込んだ方が得策かと思う。うまく粘土が抜けてくれれば言うことはない。乾くまでの間は他の作業を並行してすすめよう。
4.13 sat 2013 粘土原型
ゴム型から取り出した状態。乾燥しきれない内に外したため抜く時にすこし表面が荒れる。港の埠頭はゴム型に流れきれず厚みが不足。厚みにばらつきがあるので裏側に粘土を貼り付け補強して乾燥。。海面部分が台座になるため、他より厚く盛って水平面調整に備える。乾燥するほどユガミが出てくるので押さえては乾かしたわませては乾かしで修正。1週間ほど置いたら加工できると思う。要はお面みたいなものなので、手に感じる重さはもっと軽くしたい。ゴムもキャストも倹約倹約。
切り抜いたスケッチを島原型にのせてスケール検討。この段階の期待度が最後まで続けばなぁ……
5.17 fri 2013 型ベース作成
上のスケッチ比率をベースにプロポーション図面を起こし、各部位を粘土板に貼り付けて切り出し。パーツを繋げ、一方向を基準に奥行き分を盛って削り出す予定。拠り所がないとバランスが取れない及び腰と、削る手間を少しでも省きたい能率優先仕様。芯に粘土巻いただけで美麗なシルエットを削り出せるの余所様だけの特殊技能。ちょっとだけやってみようという半可通の及ぶ所ではない。
プレートベース
組み上げるとこんな感じ。これを基準に粘土を盛っていった。素でやると全体細めのプロポーションを作りがちで今回は肉は多めにしたい。5.18-5.26 sat - sun 2013 肉盛り結果
ほぼ完成のシルエット。手とか足指などは削りが完了してから。各部位のくびれもまだ詰める余地ありあり。5.27 mon 2013 髪盛り
髪のボリュームもボディと同じくベース板を作り、これを基準に粘土盛り。しかし盛ってる途中でパキっと折れてしまったので後半は勘だよりになる企画倒れ。うまくウェーブかかってくれればいいのだが初挑戦につき五里霧中。
以上が5月後半までの現状。最大の問題は顔の形状出し。前と横のラインがつながないもどかしさ。ここがうまくいけば完成前でもビール空けて乾杯といきたい所。指針のないまま進めても削り損なのは過去の作例でも経験。それでも3次元へのコンバートはトライ&エラーで得るしか手がない。リアルともSDとも縁がない我流絵持ちのたどる顛末をまたれよ。
(2013.5.27記)
停滞したモチベーションを変化させる打開策はただひとつ。トライ&エラーの繰り返し。同じ事を言ってるが手を動かさない限り粘土はじーっとたたずんでいるだけである。(2013.5.27記)
ほんの少しのカーブが結果を大きく左右する…… サンドペーパーとデザインナイフの往復運動が削り出した曲線の先に次なるバトンは見えるか?
5.28-6.20 tue - thu 2013 全体図
かかとやくるぶし、鎖骨から肩のカーブなどフィギュアは曲線表現の宝庫。本気でやれば死ぬまで飽きない対象。2013年夏のアプローチはここまで。
パーツとは言えないようなざっくりパーツ
灯台や住宅などの点景パーツ。サクサクサクとカッターで切り出した単調なブロック。スケールもいい加減で、ジオラマへの貢献度はどれほどのものかはお察しいただけよう。
顔パーツ
眼の位置や頬のカーブをいじくり回し、元絵とは全然違うが自分の絵柄には見えるという妥協点が右図。写実でない二次元の顔コンバートは幾多の先達が流派を展開している。参考にできる作例はたくさんあれど、自分の絵柄の立体再現に役立ったのはトライ&エラーの結果を撮影しディスプレイで拡大して違和感を探る事だった。
費やした時間と予想値にズレはあっても、取り掛かりの当初よりは二次絵との同期に近づいている。先に立体作って二次絵に落とし込む逆転にいたるのが自分にとっての上がりである。
以上で原型作業は終了。はたしてどんなジオラマモデルとなるのか? ハイエンド&ピーキーなフィギュアが集う成人ブースでこの刺激のなさはどうよ? という場違い感を持ったまま7月のワンダーフェスティバルへの仕込みは続く。
結果はイベント後に。燃え上がる太陽の下、いざ幕張の夢時間を待たれよ。
(2013.6.21記)
結果はイベント後に。燃え上がる太陽の下、いざ幕張の夢時間を待たれよ。
(2013.6.21記)